2006 Fiscal Year Annual Research Report
分子拡散法と乱流輸送法を組み合せた新しい乾性沈着量測定装置の開発
Project/Area Number |
17510017
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Research Institution | Central Research Institute of Electric Power Industry |
Principal Investigator |
藤田 慎一 (財)電力中央研究所, 環境科学研究所, 研究参事 (40371231)
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Keywords | 環境技術 / 環境分析 / 大気現象 / 地球化学 |
Research Abstract |
1.数値計算と屋外実験 平成17年度に試作した長軸長が30cm,短軸/長軸比が1/8の代理表面の近傍での流れの状態を計算により調べた。風速が15ms^<-1>以下の通常の気象条件下では,代理表面の近傍における境界層の厚さはほぼ一定であり,流れの剥離は生じないことを確かめた。拡散長が異なる拡散型サンブラーに含浸フィルターを装着して代理表面の内部に組み込み,屋外に曝露してガス状物質の捕集量を定量した。測定データを解析して細孔内における捕集景の減衰特性,減衰率と風速との関係,濃度と沈着量の関係を調べた。 2.沈着フラックスの比較実験 上記の代理表面を(財)電力中央研究所・狛江地区の観測用鉄塔に下向きに取り付けて,沈着フラックスを測定した。併行して気象要素(風速,温度,湿度)と大気濃度(オゾン,二酸化硫黄,二酸化窒素)の測定を地上1cm〜400cmの複数の高度で実施し,鉛直方向の濃度勾配を求めた。高度100cm以高の濃度差は相対的に小さく,地表面(芝生)付近に大きな濃度勾配が形成されること;濃度勾配の大きさはガスの種類によって異なることが分かった。代理表面法と濃度勾配法による観測データを比較し,両者の異同を明らかにするとともに,ルーチン観測に適した観測高度を決定した。 3.乾性沈着量測定装置の実用化 上記2の結果をふまえ,連続観測に適した乾性沈着量の測定装置と大気濃度の測定装置を試作した。試作した測定装置は電池駆動で試料採取の時間間隔は可変であるため,山岳や島嶼や砂漠などでの無人観測に適している。この装置の実証試験を屋外で実施するとともに,観測の手順をマニュアル化した。
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Research Products
(1 results)