2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17510044
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
根岸 友惠 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (80116491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河井 一明 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教授 (60161262)
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Keywords | タバコ副流煙 / 8-hydroxydeoxyguanosine / 酸化傷害 / ショウジョウバエ / 尿酸 / 生殖毒性 / 体細胞突然変異 |
Research Abstract |
本研究はタバコ副流煙が生体に及ぼす影響を調べることを目的としている。実験動物としてショウジョウバエの野生株と尿酸欠損株を用いた。尿酸は生体に比較的高濃度で含まれ、活性酸素やラジカルのスカベンジャーとして作用すると考えられている。まず短時間曝露の影響を観察するために、タバコの煙を充満させた25℃のインキュベーター内にショウジョウバエ3齢幼虫を置き、一定時間毎に採取して成虫まで飼育した。体細胞突然変異を観察すると同時に、幼虫の羽化率で生存率を算定し、羽化した成虫を交配させた時の産卵数及びその卵の羽化率を計数することによって生殖に対する影響を調べた。突然変異は染色体突然変異を検出する翅毛スポットテストで検出した。酸化的傷害として、DNAの代表的酸化傷害である8-hydroxydeoxyguanosine(8-OhdG)量を定量した。その結果6時間までの短時間曝露において染色体突然変異は観察されなかったが、いずれの株でも生存率の低下が見られた。尿酸欠損株では生存率が野生株に比べて有意に低く、野生株の85%減少したのに対して30%まで減少した。曝露停止時には生存を確認しており、曝露中に窒息死したものではないと言える。したがってタバコ副流煙は生体に対して致死的な作用を及ぼし、その一部は酸化的傷害によるものと考えられる。しかしながらDNA中の8-OhdG量について、いずれの株でも顕著な変化は認められなかったので、細胞膜等の脂質過酸化等、他の酸化傷害が致死的傷害となっている可能性がある。生殖に対する影響について、曝露後羽化したハエと通常に飼育したハエを用いて交配実験を行ったところ、曝露したハエ同士の交配によって生まれた卵からの羽化率が、尿酸欠損株において低下する傾向が見られたので、生殖能力に対して影響を及ぼしている可能性が示唆された。この成果は日本薬学会第126年会において発表した。
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Research Products
(11 results)