2005 Fiscal Year Annual Research Report
低用量内分泌かく乱物質による新生時期発生異常のメカニズムの解明
Project/Area Number |
17510046
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤本 成明 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教授 (40243612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 繁幸 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40136057)
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Keywords | 前立腺 / 発生異常 / 内分泌かく乱物質 / マウス |
Research Abstract |
新生仔マウス(PND0-15)の前立腺に対する内分泌かく乱物質の障害作用は、前立腺腺管分岐発達へ関わるものである。これはアンドロゲンにより惹起される過程であるので、本年度は、この時期の前立腺におけるアンドロゲンに応答する遺伝子群を検索同定した。 1)マウス前立腺分泌タンパク質の同定:新規タンパク質として、IgG binding protein like protein(IgGBPLK)とexperimental autoimmune prostatitis antigen 2(EAPA2)、さらに、peroxiredoxin 6、GRP78、phospholipase C、scavenger receptor like protein(91KDa protein)等を同定した。 2)分泌タンパク質mRNAの新生仔前立腺での発現とT応答性:PND7の時点でVentral Prostate(VP)では、Tの投与後48時間で、分泌タンパク質遺伝子の発現が強く誘導されたが、Dorsolateral/Anterior Prostate(DLP/AP)におけるIgBPLP, EAPA2はともにT応答性を示さなかった。 3)cDNAマイクロアレイ解析により同定された新生仔期前立腺のT応答性遺伝子:PND6で、T応答性に発現上昇が見られる遺伝子として、defensin beta 1, estrogen sulfotransferase, Purkinje cell protein 4等が同定された。 4)新生仔期T依存性遺伝子発現に対する3MCおよびE2投与の作用:3MCの同時投与は、T単独投与による前立腺SBP、PSP94、SPKT3、defensin beta1、estrogen sulfotransferaseの発現上昇をおよびARとERα発現低下の双方を抑制した。E2同時投与は、TによるIGF-1発現に促進作用を示した。 新生仔期マウス前立腺における、アンドロゲン応答性遺伝子群を明らかにした。これらのT依存性遺伝子発現は、3MCにより抑制されることが示された。今後、エストロゲン様EDCの作用について検討したい。
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Research Products
(5 results)