2007 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腫瘍の遺伝子治療法高度化に向けた低線量放射線応答性治療ベクターの開発
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17510058
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
根井 充 National Institute of Radiological Sciences, 放射線防護研究センター, グループリーダー (10164659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 悟 独立行政法人放射線医学総合研究所, 基盤技術センター, 副センター長 (40165808)
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Keywords | 遺伝子治療 / アデノ随伴ウイルスベクター / p21^<WAF1> / 低線量放射線 / HSV-tk |
Research Abstract |
本研究はp21^<WAFI>遺伝子プロモーターの高い低線量放射線応答性を利用して遺伝子治療ベクターを開発することを目的としている。昨年度までに、p21^<WAFI>遺伝子プロモーターに治療遺伝子としてヘルペス単純ウイルス由来チミジンキナーゼ(HSV-tk)遺伝子を接続し、アデノ随伴ウイルスベクターを用いてヒト乳がん由来細胞MCF-7に導入することにより、ガンシクロビル存在下で放射線感受性が顕著に高まることを確認した。また、本コンストラクトをMCF-7細胞に安定導入(トランスフェクション)し、ヌードマウスの鼠径部に移植したところ、形成された移植腫瘍に対する放射線の抗腫瘍作用がガンシクロビル投与下で増強されることを確認した。 今年度は、低線量放射線応答に関してプロモーターを最適化することを目的として、p21^<WAFI>遺伝子プロモーターの機能解析を行った。p21^<WAFI>遺伝子プロモーターに一連の欠失変異を導入し、0.2-2GyのX線に対する応答性を調べた結果、Oct1認識配列(-1798bp/-1792bp、-1760bp/-1754bp、-1003bp/-990bp)およびp53の不完全な認識配列(-1370bp/-1356bp)が放射線応答に機能していることを明らかにした。そしてこれらの配列にOct1およびp53が結合することをChIP解析によって確認した。また、興味深いことに-1678bp/-1399bpを欠失したプロモーターは野生型よりも放射線応答性が高くなることが観察された。以上の知見に基づき、低線量放射線に対して感受性の高い人工プロモーターを作製して遺伝子治療ベクターへの適用を検討する。
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Research Products
(8 results)