2006 Fiscal Year Annual Research Report
土壌集積培養による鉱物油分解菌の迅速培養・単離法の開発とその応用
Project/Area Number |
17510061
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
奥山 英登志 北海道大学, 大学院地球環境科学研究院, 助教授 (90125295)
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Keywords | 石油分解菌 / 土壌DNA / ナフテン分解菌 / イソアルカン分解菌 / 原油分解菌 / 原地性バイオオーグメンテーション / 土壌培養 |
Research Abstract |
1)鉱物油により汚染された土壌をバイオオーグメンテーション(bioaugmentation ; BA)によって浄化するためには、鉱物油分解活性の高い細菌を単離し、これを汚染現場に投入することが必要である。タンカー事故や石油タンクの破損が原因で石油の漏洩が起きた場合、BAによる対処も迅速であることが必要であることから、本研究は石油汚染土壌からの石油分解菌をより迅速に行うことを目的としていた。前年度からの継続実験にとして土壌を培養基材とした培養と寒天平板培養の組合せにより鉱物油分解性土壌内在性菌の単離が可能となった。 2)他方、1)によって単離した鉱物油分解菌は液体培地を用いた純粋培養系では高い鉱物油(軽油)の分解能を示すが、軽油で汚染させた土壌を用いた場合には、効果的な分解活性を示さなかった。この事実は土壌が、細菌が増殖する(鉱物油を分解ししつ細胞分裂する)環境としては、人工的な液体培地と比べて異なり、その性状も土壌ごとに大きく異なることが原因であると予想された。 3)単離された鉱物油分解菌は土壌中では有効にはたらかないことから、これを解消する手段として、石油汚染現場から取得した石油分解菌を同じ汚染土壌に投入することにより、分解効率が上がることが予想された。実際に、石油汚染履歴のない土壌を人工的に軽油で汚染させ、栄養塩だけを投入した土壌(biostimulation)から単離した細菌を同じ汚染土壌に投入することによって軽油の分解が確認でした。この方法を原地性バイオオーグメンテーション(Autochthonous bioaugmentation ; ABA)と名づけた。汚染土壌に外来ではない、土着性の土壌細菌を投入するので、社会的な同意も得られやすいと考えられる。
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Research Products
(2 results)