2005 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマスを資源とするケミカルリファイナリー反応技術の研究
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17510072
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
筒井 俊雄 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60133097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊地知 和也 鹿児島大学, 工学部, 教授 (60041555)
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Keywords | バイオマス / 化学原料化 / 加圧熱水反応 / ゼオライト / 酸触媒 / 塩基触媒 / 非定常反応操作 / 分子サイズ |
Research Abstract |
1)バイオマスの加圧熱水分解とその生成物の芳香族・低級オレフィン化反応の研究 250〜300℃の亜臨界条件の加圧熱水中で、グルコースの分解反応を無触媒および触媒存在下で行った。触媒としては、塩酸や硫酸などの液体酸、水酸化ナトリウムなどの塩基、ゼオライトなどの固体酸を使用した。触媒の存在によりグルコースの転化反応の速度が増大し、その効果は水酸化ナトリウムを用いたときが最も大きいこと、また、水熱反応に伴い生成する固形物量は、触媒の有無または種類によらず転化率にのみ依存することがわかった。無触媒での水熱反応では5-ヒドロキシメチルフルフラール(5-HMF)が主生成物となるが、塩基性および酸性触媒を用いるとその収率が低下すること、また、とくに酸性触媒を用いると5-HMFは著しく減少し、有機酸の収率が増大することが明らかになった。また、グルコースの逆アルドール反応により、グリコールアルデヒド、グリセルアルデヒド、ジヒドロキシアセトンが生成し、さらにアセトンや酢酸の生成も認められた。 上記の研究に並行して、グルロースの水熱分解で生成するようなケトン類その他の含酸素化合物の、ゼオライト類による転化反応の研究を行った。その結果、これらの含酸素化合物からキシレンを中心とする芳香族類が高収率で得られること、芳香族とともにC3ないしC4オレフィンまたはパラフィン炭化水素が副生すること、CO2やCOの生成は数%程度ときわめて小さく高選択的に芳香族・オレフィンまたはパラフィン化が進行することなどが明らかになった。 2)芳香族・オレフィン化反応プロセスの研究 ゼオライト触媒の細孔内反応を合理的に制御するため、反応物分子の拡散過程と、細孔内活性点における反応過程を異なる温度条件で行う非定常反応操作の研究を行い、分子サイズの異なる反応物の競争的反応において、このような非定常操作が転化率や選択率の向上に効果的であることがわかった。
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