2006 Fiscal Year Annual Research Report
チキソトロピーゲルによる水質汚染物質の目視計測法の開発
Project/Area Number |
17510074
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
斎藤 貴 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (10186942)
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Keywords | チキソトロピーゲル / 水質汚染物質 / 非イオン界面活性剤 / TBPE / 目視計測 / 簡易分析 / 吸光光度計 / ヘプタエチレングリコールモノドデシルエーテル |
Research Abstract |
水試料中に含まれる非イオン界面活性剤(NIS)に関して,チキソトロピーゲルを調製し,このゲルを抽出及び発色媒体とした試料中のMSの目視計測法について検討を行った。 N-ラウロイル-L-グルタミン酸-α,γ-ジブチルアミド(LGBA)0.670mgをo-ジクロロベンゼン0.075cm含に溶解して調製したチキソトロピーゲルに対し,試料溶液5cm^3,4.0M酢酸カリウム溶液(pH7.8)1.0cm^3,1.0mMテトラブロモフェノールフタレインエチルエステルカリウム(TBPE)溶液0.33cm^3の条件で測定を行った。その結果,次の知見が得られた。 1.MSがカリウムイオン及びTBPE陰イオンとイオン会合体を形成し発色したゲルは,λmax614nmの緑色からなる吸収スペクトルを示した。 2.ヘプタエチレングリコールモノドデシルエーテルに対するゲルの発色応答は,目視では0.01〜4.0μM(0.005〜2.0mg/L)の濃度範囲で定量的な発色応答が得られ,吸光光度分析においても0.2〜4.0μM(0.1〜2.0mg/L)でA=0.520[NIS](相関係数0.997)の直線関係が得られた。 3.定量値の再現性は,0.2μMの試料で目視計測を行ったところ,定量値のバラツキはRSD 5〜17%(n=8)となった。また,0.2及び0.8μMの試料で吸光光度分析を行ったところ,それぞれRSD6.3%(刀=11)及び4.7%(12=12)となり,実用の範囲内であった。 4.応用として,環境試料水(河川水)を用いて調製したNIS試料溶液に対し,目視計測及び吸光光度分析により定量を行ったところ,調製した溶液の濃度と定量値とは良好な相関を示し,試料水中の共存物質の影響を受けずにTBPE活性物質を定量できることが明らかとなった。
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