2005 Fiscal Year Annual Research Report
微生物と吸着触媒を応用した環境ホルモン除去:水の浄化とリサイクルのための研究
Project/Area Number |
17510075
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
島田 恵理子 神奈川工科大学, 工学部, 講師 (50291753)
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Keywords | 浄水 / 環境ホルモン / 吸着 / 微生物 / 触媒 / リサイクル / 活性炭 |
Research Abstract |
環境ホルモン・p-ノニルフェノールとその分解菌Pseudomonasを主に用いて、水からの環境ホルモン除去を高速で二次廃棄物なしに行うため吸着と分解の基礎データを得ることを目的とし、計画に従い以下のように実施した。 1.環境ホルモン物質の吸着速度と最大値 (1)30℃でのp-ノニルフェノール、ビスフェノールAが活性炭に吸着する速度をラングミュアの吸着速度式で近似的に解析し、吸着最大量と市販活性炭量の比を求めた。 (2)ビスフェノールAで溶解性と吸着の関係を調べ、インピーダンス法での吸着状態の観測を試みた。 2.Pseudomonas菌によるp-ノニルフェノールの分解速度、吸着触媒効果 30℃100rpmでの菌分解速度を活性炭吸着の有無で比較すると、p-ノニルフェノールを吸着させたものはそうでないものの約60%分解が速く、さらに16日間以上で芳香環の分解も認められた。 3.ガス賦活による活性炭素細孔サイズの改質と吸着・分解の関係 (1)市販粒状活性炭を賦活するために、二酸化炭素と水蒸気の流速や混合比を変えて、各サイズの細孔を増やす条件を調べた。二酸化炭素単独、水蒸気単独(窒素キャリアーガス使用)では、比較的大きい20〜30nmの孔が割合を増す効果が大きく、また前者のほうが速いことがわかった。しかし前者単独では、反応が速いため賦活で生成した大きい孔が崩れてしまうことがあった。そこでこれに水蒸気を混合すると反応が緩やかに進み、細孔サイズの制御に役立つことがわかった。 (2)p-ノニルフェノールの側鎖をノニルからブチル、メチルと変え市販粒状活性炭への吸着速度を近似的に解析すると、側鎖が長い分子ほど速度定数が大きくなることが分かった。 4.次年度の準備として、活性炭に吸着した菌を脱着する電極槽を製作した。
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