Research Abstract |
本研究は,石炭の代替として従来焼却処分されてきた廃棄物を使用することによって,石炭から発生する二酸化炭素発生量を抑制し,地球温暖化の防止に貢献しようとするものである.17年度はその最初の年度であり,以下の研究を共同で実施した. 1.還元鉄製造実験 先ず簡単な条件から研究を開始するため,廃棄物として木炭を使用することにした.予備実験において,粉鉱石と粉木炭の混合物をバーナーで加熱すれば還元鉄が得られることが分かったため,17年度の研究では,還元鉄が得られる最適な温度,粉鉱石と粉木炭の混合割合を検討した. 実験は,粉鉱石と粉木炭を混合して直径約10mmのペレットを作成し,それを加熱することによって,還元鉄生成の有無を調査した.実験条件は,粉鉱石と粉木炭の混合割合を1:3〜5:1まで変化させ,加熱温度も600℃から1350℃にまで変化させた.実験の結果,加熱温度が約800℃以下では還元率が低く脆い鉄が得られるが,1300℃以上であれば,硬くて還元率が高い鉄が生成されることが分かった.また粉鉱石と粉木炭の混合割合は,1:2が最も良好な還元鉄が得られることが明らかになった. 2.廃棄物の発生量調査 還元鉄製造で使用できる廃棄物は,炭素を多く含む廃棄物であり,本研究では,廃棄木材,廃タイヤおよび廃プラスチックを対象として調査を行った.その結果,毎年全国において,廃棄木材は2100万トン,廃タイヤは20万トン,廃プラスチックは1000万トン発生していることが分かった.
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