2005 Fiscal Year Annual Research Report
コア-シェル-コロナ型高分子ミセルを鋳型とする中空無機微粒子の合成とその応用
Project/Area Number |
17510088
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
中島 謙一 佐賀大学, 理工学部, 教授 (10104720)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡 孝則 佐賀大学, 理工学部, 教授 (10136541)
|
Keywords | 高分子構造・物性 / 自己組織化 / 超分子化学 / 鋳型合成 / ナノ材料 / 触媒 / フォトニック結晶 |
Research Abstract |
ポリ(スチレン-b-2-ビニルピリジン-b-エチレンオキシド)のようなABC型(非対称型)トリブロック共重合体をB、Cに選択的な溶媒に溶解すると、Aをコア、Bをシェル、Cをコロナとするミセルを形成することが知られている。本研究は、(i)このようなコア-シェル-コロナ型高分子ミセルを鋳型とする新しい中空無機微粒子の合成法を確立すること、(ii)その微粒子の種々の応用を検討することを目的とした。 平成17年度は本研究計画の初年度であり、以下のような実験を行った。 (1)高分子ミセルの調製 ポリ(スチレン-b-2-ビニルピリジン-b-エチレンオキシド)(略称:PS-b-PVP-b-PEO)をジメチルフォルムアミドに溶かした後、水に対して透析し、PSをコア、PVPをシェル、PEOをコロナとする高分子ミセルを得た。高分子ミセル形成の確認は動的光散乱法によって行った。その結果、直径約95nmのミセルの形成が確認された。さらに、溶液をpH5以下に調整してPVPブロックを陽イオン化した。 (2)中空金微粒子の合成とキャラクタリゼーション 前記の高分子ミセルにAuCl_4^-イオンを加え、PVPブロックに静電結合させた。PVPブロックに対するAuCl_4^-イオンの結合はゼータポテンシャルの測定によって確認した。これをNaBH_4で還元してAuCl_4^-イオンを金属Auに変化させた。その後、窒素雰囲気下で焼結して高分子を取り除き、中空金微粒子を得た。得られた中空金微粒子を透過型電子顕微鏡測定で測定したところ、収率が極めて悪く、ほとんどは直径10nm前後の通常の金微粒子であった。これは、還元の際にAuCl_4^-イオンが高分子ミセルから脱着し、鋳型の外での金微粒子形成が行われるためであろうと思われる。従って、今後、還元条件の検討を行う予定である。さらに、同様の実験を他の金属及びシリカなどの他の無機材料についても行う予定である。
|
Research Products
(4 results)