2006 Fiscal Year Annual Research Report
マルチウォール型カーボンナノチューブの欠陥とその動力学に関する理論的研究
Project/Area Number |
17510097
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小田 竜樹 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (30272941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 峯雄 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (60377398)
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Keywords | ナノテクノロジー / ナノエレクトロニクス / カーボンナノチューブ / グラフェン / 固有欠陥 / 魔法数 / 密度汎関数法 / ナノ鉄ワイヤー |
Research Abstract |
1.半径が大きなカーボンナノチューブ(CNT)の固有欠陥を研究するため、グラファイト1層膜に相当するグラフェンの固有欠陥に対し、第一原理計算を行い、その構造、安定性、拡散障壁について研究を行った。(斎藤) (1)昨年度は、原子空孔欠陥の魔法数が2,4,6であることを、単純なモデルで説明するため、5員環の生成を考慮した、拡張されたダングリングボンドカウンティングモデル(EDBCM)を提唱したが、このモデルの確からしさを示すため、空孔欠陥の大きさを7,8,9等に広げて計算を行った。空孔欠陥が大きくなると多種多様なものが生成されることが明らかになり、その中には空孔付近で磁気分極するものも安定な空孔として考慮する必要が明らかになった。 (2)昨年度より、複格子間原子の安定性が明らかになってきたが、磁気分極させた計算法を用いて、複格子間原子を付着させた系を作り、構造変化やエネルギー変化を調べた。平坦なグラファイト膜等に大きな構造変化を導入させることができる可能性があることが分かった。 2.昨年度に引き続き、カイラル指数(9,0)のCNTに鉄ワイヤーを挿入した系を中心に研究を進めた。フェルミ準位付近の電子状態、安定構造および磁気構造を求めた。CNTのエネルギー分散関係、局所状態密度等を計算できるように計算コードの開発を進めた。強磁性あるいは反強磁性ワイヤーについて、ワイヤーを挿入しない場合との比較を行い、フェルミ準位での電子状態の変化を明らかにした。(小田) 3.ダブルウォール(DW)CNTを作成し電子状態計算を行った。実験で実際に作成されている直径(約1.8A程度)と同程度の直径をもつものを探索し、その中で軸方向の周期が短いものDWCNT(13,0)@(22,0)についてエネルギー分散関係や状態密度を調べた。(小田)
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Research Products
(13 results)