2007 Fiscal Year Annual Research Report
マルチウォール型カーボンナノチューブの欠陥とその動力学に関する理論的研究
Project/Area Number |
17510097
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小田 竜樹 Kanazawa University, 自然科学研究科, 准教授 (30272941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 峯雄 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (60377398)
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Keywords | ナノテクノロジー / ナノエレクトロニクス / カーボンナノチューブ / グラフェン / 固有欠陥 / 密度汎関数法 / アームチェア型端 / ジグザグ型端 |
Research Abstract |
平成19年度の実績概要は以下のようにまとめられる。 1.原子空孔とならび基本的欠陥であるアドアトム(グラファイトにおける格子間原子に相当)およびその複合体のシミュレーションを昨年に引き続き行い、4量体までの安定構造を決定し、アドアトムが拡散の後、どのように集合していくのかを考察した。 2.水素終端していないグラフェンリボンや(5,5),(9,0)型CNTの端(エッジ)におけるアームチェア型端やジグザグ型端の安定構造を決定しその上で、電子状態を求めた。グラフェンまたはCNTを切断することにより得られるこれらの端を生成する場合に必要なエネルギーを、単位切断距離当たりに対して、見積もりアームチェア型端がジグザグ型端に比べ非常に安定であることを明らかにした。 3.アームチェア型端およびジグザグ型端に対して、触媒原子である鉄原子を付着させた場合の電子状態を求め、磁性状態を明らかにするとともに、触媒作用のミクロなメカニズムについて検討を行った。 4.グラフェンナノリボンは、両端に沿った強磁性型の鎖をもち、二つの鎖同士が反対向きのスピンを持つことから、反強磁性になることが知られていた。本研究から、この系にキャリア(電子またはホール)をドープすると、強磁性に変化することを見いだし、キャリア注入によりにより磁性が制御できることを見いだした。さらに、ノンコリニア磁性を考慮した第一原理計算により、反強磁性相と強磁性相の間には、傾角磁性が出現することを明らかにした。
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Research Products
(46 results)