2005 Fiscal Year Annual Research Report
数理とシミュレーションを統合した「敵対と紛争」の重層的モデリングとその応用
Project/Area Number |
17510117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木嶋 恭一 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (10134826)
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Keywords | 敵対 / 紛争 / 数理 / シミュレーション / モデリング |
Research Abstract |
近年、個人・組織・国家などの主体間の相互作用の中で、特に紛争や敵対など非協力関係が極端化する傾向がある。本プロジェクトの目的は、次の2つである。(1)敵対・紛争という極端な非協力関係に焦点を絞った、数理的モデル・シミュレーションモデルによるアプローチという着想を定着させ、概念の定式化を行う。(2)そのような敵対・紛争の構造と発生過程を考察するため、解析的モデルとシミュレーションによる重層的で統合的な方法論を提案する。 本年度は、現在準備中の敵対・紛争の数理モデルとシミュレーションモデルをより発展させて、それぞれについてプロトタイプを構築した。ハイパーゲーム、ドラマティックモデルやランドスケープモデルを含むより広範囲の最新の研究成果を、文献だけでなく、英国を中心に面談・国際会議等で情報収集を行った。これにより、モデルの骨格を飛躍的に革新した。 同時に、BSEや遺伝子組み換え大豆など食品の安全性を巡る消費者と生産者の相互不信、インドネシアのチタロム河川の流域に沿った利害関係者の対立などの実際の問題を分析し、それらを特徴づける基本構造とパラメータを明らかにした。さらに、非協力ゲーム理論をもとに共生・敵対の記述する数理モデルとしてハイパーゲームモデル、ドラマティックモデルを提案するとともに、ランドスケープモデルを動的化した斬新なシミュレーション分析手法を考案し、重層的で統合的な方法論の第1歩を進めた。 これにより来年度以降に計画している、「交渉とコミュニケーション・相互理解が敵対・紛争を解消するメカニズム」の解明と、「敵対・紛争解消の具体的提言」に対する理論的基盤を整備した。
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Research Products
(7 results)