2006 Fiscal Year Annual Research Report
インタビュー調査に基づく製造企業のスケジューラの思考パターンの解明
Project/Area Number |
17510124
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森川 克己 広島大学, 大学院工学研究科, 助教授 (10200396)
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Keywords | システム工学 / スケジューリング / 製造企業 / インタビュー |
Research Abstract |
前年度に実施した中国地域の製造企業10社へのインタビュー調査の結果を中心として,製造企業のスケジューラの計画業務について検討した.その結果,スケジューラを中心とした協働的な生産計画が多くの企業で採用されていることが明らかとなった.具体的には,スケジューラが生産計画システムを使って計画を決定する際に,営業部門の担当者や現場作業者と密に情報を交換していること,また,詳細な計画決定は現場の職長に適宜委ねつつ,工場全体としての高い生産性実現に向けて腐心していることが明らかとなった.このことは,スケジューラが,「現状の正確な把握」→「計画作成」→「評価」という手順を何度か繰り返すことで,必須要件を満たしつつ,運用時に問題が生じにくい計画を見つけ出そうとしていることを示している.この思考・行動のフローに必要とされる代表的情報として,納期,負荷,生産能力,仕掛在庫など9項目を列挙し,これらを整理してスケジューラの基本的な思考パターンとして提案した. さらに,スケジューラの役割の重要性が必ずしも正しく評価されていないとの問題意識に基づき,システムダイナミックスによるスケジューラの振る舞いのモデル化を行った.スケジューラを中心とした協働的生産計画では,スケジューラが現場の実態をより正確に把握できるとともに,生産計画を現場と検討することで生産性の向上につながる計画が得られると仮定した.シミュレーション実験より,このようなスケジューラの活動が残業生産時間の削減という形で評価できることを確認した.
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Research Products
(3 results)