2005 Fiscal Year Annual Research Report
建物の耐震安全性に対する市民の安全意識とリスクコミュニケーションに関する国際比較
Project/Area Number |
17510136
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
平田 京子 日本女子大学, 家政学部, 助教授 (70228782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 孝重 日本女子大学, 家政学部, 教授 (20151342)
久木 章江 文化女子大学, 造形学部, 助教授 (00259706)
伊村 則子 武蔵野大学, 人間関係学部, 講師 (10257074)
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Keywords | 建築物 / 耐震安全性 / リスクコミュニケーション / 日本 / カナダ / 市民 / 合意形成 / 消費者啓発 |
Research Abstract |
日本は世界有数の地震国である。したがって建築物の耐震技術レベルは高く、防災法令も整備されている。だが東海地震や首都圏直下型地震の発生が懸念される今日、これらの対策に欠けているのが、(1)「建築基準法に定められる最低レベルを国民に周知してきたか」、(2)「国民と最低レベルについて合意をもっているか」、あるいは(3)「建物のつくり手は建物オーナーとその建物のもつレベルについて合意を形成したか」というリスクコミュニケーション分野の対策である。本研究は、このように対策の遅れているリスクコミュニケーション分野の問題点を市民とともに考え、解決策を提示するため、ハイリスクで耐震技術力の高い日本と、ローリスクで耐震コストの低い、しかし住民の参加度が高くカナダ内で地震リスクが最も高いカナダBC州を選定して、国際比較研究を行う。各年度で調査・分析を行い、次の4項目についての知見を得ることを目的としている。 (1)現状の耐震安全性レベルと地震リスクについての市民の評価と要望を問うアンケート調査 (2)市民の要望の把握と合意形成状況に関する評価・分析 (3)市民に向けた情報の提供方法および消費者教育方法の検討 (4)海外1カ国(カナダ)を選定し、調査・比較を通じて日本の現状と問題点を明らかにする 特に本年度は、(1)市民の要望を問うアンケート調査(カナダ・日本で調査を実施)の分析と考察に重点を置き、カナダの共同研究者とのディスカッションを実施し、論文執筆準備作業に当てた。特に大地震の経験が少ないカナダでは、耐震安全性に対する市民の意識は漠然としており、調査項目の選定とその分析方法について、試行を繰り返し行った。その結果をまとめ、各学会で研究発表を行った。 また心理学などにおけるリスクコミュニケーション分野の先行研究を分析し、日本の建築物の耐震安全性をめぐるリスクコミュニケーションへの応用を図れるかどうか考察を行った。
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Research Products
(5 results)