2006 Fiscal Year Annual Research Report
疾患関連ゲノムサイエンスとしてのヒトmicroRNA多様性研究
Project/Area Number |
17510157
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田嶋 敦 東海大学, 医学部, 助手 (10396864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井ノ上 逸朗 東海大学, 医学部, 教授 (00192500)
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Keywords | ゲノム / 遺伝学 / 遺伝子 / 発現制御 |
Research Abstract |
microRNA(miRNA)は、その標的となる遺伝子の発現を制御することにより、様々の病態生理学的機能を発揮すると考えられている。したがって、対象疾患に関連した組織におけるmiRNAの標的遺伝子を同定することが、本研究の最も重要な課題のひとつである。本年度は、miRNA標的遺伝子のなかでも、そのmRNA発現量レベルで制御されている遺伝子群を網羅的に同定する新規手法の開発に注力した。具体的には、 (1)進化的視点を加味した情報学的手法による標的候補遺伝子の抽出(In silico) (2)研究対象とするmiRNAの強制発現、あるいはmiRNAアンチセンスオリゴによる内因性miRNAの機能抑制した疾患関連組織からの培養細胞において、mRNA発現解析マイクロアレイによる発現変動遺伝子の抽出(In vitro) (3)疾患関連組織において、対象miRNAの発現レベルと負の発現相関を示す遺伝子のmRNA発現解析マイクロアレイによる網羅的抽出(In vivo) を組み合わせ、上記3条件を全て満たす遺伝子を、疾患に関連したmiRNA標的遺伝子として同定する方法である。 開発した本手法を、肝癌において発現変化することが明らかな6つのmiRNA(Murakami et al.2004)の標的遺伝子同定研究に適用し、miRNA標的遺伝子として、未知の肝癌関連遺伝子を複数同定することが出来た(論文投稿中)。本手法は汎用性が高く、様々な疾患関連研究に用いることが出来ると考えられ、実際、無精子症のひとつである非閉塞性男性不妊症に関連した遺伝子も幾つか同定できている。ゲノム情報発現調節機構におけるmiRNAの重要性を質的に理解する上で有用な手法となることが期待できる。
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Research Products
(7 results)