2005 Fiscal Year Annual Research Report
タイプI繰返し型ポリケタイド合成酵素反応制卸機構の分子基盤
Project/Area Number |
17510174
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 勲 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (70181302)
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Keywords | ポリケタイド合成酵素 |
Research Abstract |
単環性芳香族化合物合成のポリケタイド合成酵素SA-PKSとして、Aspergillus terreusよりクローニングした6-メチルサリチル酸合成酵素であるATXを用い、その酵母発現系を構築した。これを用い、N-末、および、C-末欠失体の発現実験を行い、活性発現に必要な領域を決定した。ついで、ともに不活性なN-末欠失体とC-末欠失体の共発現を試みたところ、6-メチルサリチル酸の生産が回復し、異なるサブユニット間の相互作用により活性中心が再構成されることを明らかにした。この共発現系を用いて、欠失体間および活性中心変異体間の共発現によるドメイン間の相互作用を更に検討中である。 また、還元型化合物合成のポリケタイド合成酵素RD-PKSについては、ジャガイモ夏疫病菌Alternaria solaniより、数種類の異なるRD-PKS遺伝子をクローニングした。そのうち、PKSNおよびPKSFと名付けたPKSの糸状菌発現系を構築し、その機能同定を行った。その結果、PKSNは新規デカケタイド化合物alternapyroneの合成酵素であると同定した。alternapyroneはデカケタイド鎖に8個のメチル基がPKS反応中に位置特異的に導入されて生成すると考えられることから、PKSNの反応機構について、現在、更に検討中である。また、PKSFは、いずれも新規ポリエン化合物であるC_<22>のaslanipyroneとC_<23>のaslaniolを主生成物として与えるPKSであることを明らかにした。 多環性芳香族化合物合成のポリケタイド合成酵素AR-PKSについては、生成物の炭素鎖長と閉環様式の異なる新規AR-PKS遺伝子のクローニングを試みるとともに、C-末のClaisen cyclaseドメインCYCの機能について、酵母発現系を用いた解析を進めている。
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Research Products
(2 results)