2005 Fiscal Year Annual Research Report
スフィンゴ脂質代謝酵素による細胞増殖・生存の制御機構の解明
Project/Area Number |
17510175
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
坂野 喜子 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50116852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村手 隆 名古屋大学, 医学部, 教授 (30239537)
野澤 義則 (財)岐阜県国際バイオ研究所, 所長 (10021362)
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Keywords | スフインゴ脂質 / 細胞増殖 / アポトーシス制御 |
Research Abstract |
スフィンゴミエリンのスフィンゴミエリナーゼ(SMase)により産生されるセラミドやスフィンゴシンは、細胞死誘導に関与し、また、スフィンゴシンキナーゼ(SPHK)により産生されるスフィンゴシン1-リン酸(S1P)は、細胞外に分泌されG蛋白共役型受容体(Edg/S1Pファミリー)を介して様々な細胞にアゴニストとして作用し、細胞増殖・生存や細胞運動に重要な役割を果たすことが示されているが、その詳細なメカニズムは明らかでない。申請者らは、SPHK/S1P系と他の細胞内シグナル伝達系とのクロストークについて検討し、S1P受容体シグナルがホスホリパーゼD(PLD)、PI3K/Akt系の生存シグナル系を活性化し、アポトーシス抑制に関与することを初めて示唆した。本年度はSPHKの細胞内機能を調べるために、SPHKアイソザイムの特異的抗体を用いて細胞内局在や組織内分布を検討し、SPHK1が腫瘍細胞に高発現していることや精子の先端に特異的に局在することを見いだし、SPHKの特異的生理作用を示唆する結果を得た。さらに、SPHK/S1Pシグナル伝達系の制御機構を明らかにするために、白血病細胞HL60を用いて好中球への分化誘導過程におけるSPHK1の役割を検討した。HL60細胞の好中球への分化過程は、SPHK1の阻害剤DMSやERKの阻害剤によって抑制された。また、DMSはERKの活性化を抑制したが、p38MAPKの活性化には影響しなかった。また、不活性型SPHK1であるDNSPHK1を過剰発現させるとERKの活性化と好中球への分化の抑制がみられた。これらの結果から、SPHK1は白血病細胞の分化にERKの活性化を介して重要な役割を演じることを示唆した。一方、S1P刺激によるPLDの活性化が生存シグナル(PI3K,AKT)の活性化に関与することを示唆した。この機構を明らかにするために、PC12細胞を用いて酸化ストレスに対する系について検討した。PC12細胞は、酸化ストレスに応答してPLDの活性化とPYK2,AKTの活性化を引き起こすが、PLD2の活性化により生じるPAが、PYK2/SRCの活性化を介して、PI3K/AKTの生存シグナルの活性化に関与することを初めて明らかにした。
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Research Products
(11 results)