2005 Fiscal Year Annual Research Report
抗原タンパク質をペプチド化して行う等電点免疫測定法の開発
Project/Area Number |
17510183
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Research Institution | Kanagawa Academy of Science and Technology |
Principal Investigator |
志村 清仁 (財)神奈川科学技術アカデミー, 光化学重点研究室・マイクロ化学グループ, 研究員 (30130008)
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Keywords | キャピラリー電気泳動 / 等電点電気泳動 / 兔疫測定法 / ペプチド / レーザー蛍光 / 限定分解 |
Research Abstract |
1)蛍光標識抗体断片の調製 抗体を断片化し蛍光標識した。マウスIgG1抗体について、本申請者が確立した方法で、200μgの抗体について、再現性よく、標識抗体断片を調製することができた。マウスIgG1は、ペプシンによってきれいにF(ab)_2断片に変換される。このF(ab)_2をpH7において10mMのメルカプトエチルアミンで処理すると、ヒンジ部位のジスルフィド結合のみを選択的に切断してFab'とすることができた。マウスIgG1はヒンジ部位に3残基のシステイン残基をもつため、このままの状態でSH基を蛍光標識すると、複数の蛍光色素がヒンジ部位に取り込まれ、蛍光消光を起こしてしまう。微量のCu^<2+>イオン存在下に1時間空気酸化を行うと、3つシステイン残基のうち2つにジスルフィド結合が形成され、単一のチオール基をもつ状態にすることができる。こうして残った1つのシステイン残基をヨードアセチル化テトラメチルローダミンで標識し蛍光標識Fab'を得た。抗体から出発する一連の操作は、反応後の抗体断片の回収に、硫安沈殿法を用いることにより、1日以内に完了することができた。 2)蛍光標識抗体断片の調製 こうして得た蛍光標識Fab'は、主に抗体のAsnあるいはGln残基の脱アミド反応によって、通常等電点的に不均一である。標識抗体断片をアガロースゲル等電点電気泳動によって精製した。標識Fab'を平板型アガロースゲル等電点電気泳動で分離し、蛍光性の主バンドをゲルから切り出した。ゲル内の標識Fab'を拡散によって溶液中に回収した。 3)抗原分解物の調製 抗原タンパク質を、トリプシン、リシルエンドペプチダーゼ、キモトリプシン、ペプシン、パパイン、V8プロテアーゼ、CNBrなどで徹底的に分解した。数μgの抗原タンパク質について、完全分解に利用される条件を用いて、分解物を調製した。また、還元アルキル化して得たポリペプチドについても同様に、分解を行った。 4)複合体形成断片の検出 分解物に標識抗体断片と両性担体を添加し、蛍光検出キャピラリー電気泳動装置で複合体形成の有無を観察した。
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Research Products
(3 results)