2005 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム及びN型糖鎖構造解析を用いた癌転移関連たんぱく質の同定
Project/Area Number |
17510191
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
宮本 泰豪 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 総括研究院 (90322742)
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Keywords | 糖脂質 / 糖鎖 / 癌 / 質量分析 |
Research Abstract |
ヒト癌組織(原発部位と転移部位)のN型糖鎖および酸性糖脂質の構造を解析するための、基礎的条件の検討を行った。用いる方法としては、糖鎖を高感度で検出するため糖鎖部分を2-アミノピリジンで蛍光標識し(ピリジルアミノ化、PA化)、HPLCによる分離と質量分析法を組み合わせることにより、糖鎖構造を同定する。 1)PA化糖鎖のHPLCによる構造の推定にはそれぞれの糖鎖の標準品(authentic sample)と比較する必要がある。そのため、できるだけ多くの標準品を用意することが極めて重要である。我々は購入可能な標準品以外に、現在までに自ら30種類の標準品を調整した。 2)PA化された糖鎖は順相と逆相の2種類のカラムで分離、精製するが(2次元糖鎖マッピング法)、カラムの選択、溶媒、溶出条件などは詳細に検討し、最適化できたものと考える。 3)PA化糖鎖はイオントラップ型の質量分析計を用いてLC/MS/MS解析を行う。感度は、数10fmolのPA化糖鎖であれば、LC/MS/MS解析可能である。 4)癌組織には癌細胞以外に間質やリンパ球などの炎症細胞、血管などが多く含まれ、癌組織の中で癌細胞が占める割合が10%以下である癌組織も決してめずらしくない。我々は得られる解析結果のクオリティーをあげるため、レーザーマイクロダイセクション法を用いて癌組織よりできるだけ高率に癌細胞を抽出し、その癌細胞の糖鎖構造を解析することとした。N型糖鎖および糖脂質の解析に適した切片の作成法、固定法、染色法などの諸条件は既に確立した。 5)癌細胞のN型糖タンパク質からのN型糖鎖の切り出し、酸性糖脂質の抽出、糖脂質の糖鎖部分の酵素(EGCaseII)による切り出し条件などは既に確立した。切り出された糖鎖のPA化法も最適化できている。
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Research Products
(1 results)