2007 Fiscal Year Annual Research Report
野生アカウミガメの受精卵を移植した場合の孵化率低下原因の解明
Project/Area Number |
17510195
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
土井 守 Gifu University, 応用生物科学部, 教授 (60180212)
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Keywords | アカウミガメ / 受精卵 / 性ステロイドホルモン / 発生過程 / 卵殻の白濁現象 |
Research Abstract |
平成19年度は、カメ目に特徴的な現象である胚の固着や卵殻の白濁に着目して、アカウミガメの胚発生の進行状況について調査し、さらに飼育下個体の産卵生理についても内分泌学的に検討した。本研究には、和歌山県日高郡みなべ町千里の浜で採取した野生アカウミガメの受精卵60個と、姫路市立水族館のアカウミガメ3頭を用いて行った。 転卵実験の結果、対照区と転卵区すべてにおいて卵の頂点から固着と白濁が進行した。また、孵卵64〜68日目で孵化が起こったが、孵化率は、対照区80%、産卵8時間後転卵区70%であったのに対し、12時間後転卵区では30%という差が生じた。産卵後8時間を経過した卵の移植では、発生に及ぼす影響は少ないことが分かった。これらのことから、アカウミガメの受精卵において移植時に生じる胚発生の停止は、産卵後12時間以上経過した卵において起こる現象であると考えられた。 砂中温度は、千里の浜で平均30.9℃、恒温器では平均28.2℃となり、湿度は両方共にほぼ100%であった。それらの環境下で孵化させた結果、孵化日数は千里の浜で59日間、恒温器では64日間となった。これらの積算温度を計算すると、千里の浜では1823℃であったのに対し、恒温器では1804℃と算出されたことから、積算温度が1800℃を超えると孵化に至るのではないかと推察された。 飼育下個体における2006〜2007年の血中性ステロイドホルモン濃度を測定した結果、雌2頭共にそれ以前と比べエストラジオール-17β濃度が常に低い値で推移し、同様に雄のテストステロン濃度も常に低い値で推移した。雄雌ともに血中性ステロイドホルモンの有意な変動が認められなかった。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] アカウミガメの胚発生の進行と産卵生理に関する研究2007
Author(s)
田中浩之, 寺嶋淳美, 加藤隆司, 福岡敏夫, 市川憲平, 増田 修, 後藤清, 松沢慶将, 楠田哲士, 土井 守
Organizer
第15回希少動物人工繁殖研究会議
Place of Presentation
神戸市立王子動物園
Year and Date
2007-06-07
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より