2005 Fiscal Year Annual Research Report
中国における回族の宗族と海外移住-福建泉州丁氏と山東溜川蒲氏の族譜を手がかりに
Project/Area Number |
17510204
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
王 柯 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (80283852)
|
Keywords | 福建省 / 山東省 / アイデンティティ |
Research Abstract |
1、中国の福建省、山東省を訪問し、アモイ大学、中国海外交通博物館、福建泉州図書館、晋江県陳〓鎮回族委員会、丁氏資料舘、山東省社会科学院の協力を受けて、両地の回族宗族の歴史と現状、さらに族譜を手がかりに宗族構成員の海外移住の歴史と現状、海外移住者のアイデンティティ、故郷とのつながりの方法、帰省の頻度、経済活動の有無などを中心とするネットワークの歴史と現状について調査を行ない、族譜など第一次資料を収集した。そのほか、また上海社会科学院、上海図書館において族譜を中心に資料調査を行なった。 2、日本において、日本華僑総会、横浜中華総会、神戸中華総会、神戸華僑博物館などを訪問し、福建省と山東省華僑を中心に日本華僑社会の歴史と現状を調査し、6月に金沢で開催された第45回日本福建同郷会大会を取材し、福建華僑ネットワークについて調査し、資料収集を行なった。 3、中国陝西省において開催された「中国イスラーム民族社会と文化国際学術シンポジウム」に出席し、「国際政治経済ネットワークと少数民族社会」という口頭発表を行ない、会議において中国ムスリムの海外移住とネットワークについて資料を収集した。 4、直接関連する研究の成果として、2005年12月に「二重の忠誠--白寿彝と開封の物語」(中国語タイトルは「二重的忠誠--白寿彝和開封的故事」)という論文を香港中文大学中国文化研究所の学術誌『二十一世紀』第92号に発表した。論文は、回族出身の中国著名の歴史学者を事例に、地方史と家族史などの第一次資料を用い、出身地である地域社会の伝統的社会構造、重層的宗族意識、多元的宗教文化環境が、故郷を離れたものにいかなる影響を及ぼし、そして及ぼし続けることができたのかを分析した。
|
Research Products
(1 results)