2006 Fiscal Year Annual Research Report
南太平洋島嶼国にみられる伝統的社会における人と自然の共生システム
Project/Area Number |
17510206
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
河合 渓 鹿児島大学, 多島圏研究センター, 助教授 (60332897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 知 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (20253388)
小針 統 鹿児島大学, 水産学部, 助手 (60336328)
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Keywords | フィジー / 共生 / 人と自然 / 環境動態 / 海 / 低次生産力 / 漁業 / 伝統社会 |
Research Abstract |
本研究は主に2006年8月から9月にかけフィジー諸島共和国東部に位置するナイカワンガ村において現地調査を中心に行った。また、南太平洋大学との打ち合わせも滞在期間中に行った。 ナイカワンガ村では貝類は8科9属11種を漁業対象種として漁獲を行っていた。この地域の自然環境はマングローブ林を中心とした生態系とさんご礁を中心とした生態系の2つに大きく分けて考えることができる。貝類漁業は90%以上がマングローブ域に依存しており、この地域の漁業においてマングローブ生態系が重要な位置を占めていることがわかった(河合渓)。 ナイカワンガ村の人々がいかなる産物を市場で販売しどの程度の収益を得ているかをスバ市の公設市楊において調査した。この調査の目的は村の資源利用を現金収入の観点からアプローチすることである。ナイカワンガ村の人々は毎週、金曜日から日曜日にかけて村の産品を中心に公設市楊での商業活動をおこなっている。 村人の食生活に関しては、以下のことが明らかになった。基本的に村の産物を食している(主食はキャッサバ、タロイモ、パンの実、野菜類はベレや白菜、ココナツミルク)。小麦やツナ缶などの村外から購入する食品も食している。魚類(カナゼなど)、貝類(カイコソ)は村の産物を食している。漁業をおこなう世帯はより多くの魚介類を食している。(西村知) 南太平洋島嶼国の沿岸城における環境、低次生産力および魚類相を把握するために、フィジー東部の沿岸域において、海洋環境、魚類層、魚類形態の調査、漁獲魚類のマーケット調査を行った。河口域-さんご礁域にかけて海洋環境やえさとなるプランクトンのサイズ組成に勾配が認められた。魚類相は多様であったが、漁法は比較的単純であった。漁獲魚類の市場価格は安価であり、刺し網で漁獲されるものが市場で多く認められた(小針統)
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