2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17510209
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
砂野 幸稔 Prefectural University of Kumamoto, 文学部, 教授 (60187797)
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Keywords | フランス語教育史 / 植民地教育史 / フランス植民地主義 / 同化政策 / 植民地エリート / 支配言語 / 言語政策 / フランス語 |
Research Abstract |
平成18年度に行ったセネガルにおける聞き取り調査の結果を整理し、資料を作成するとともに、引き続きフランス植民地政策、フランス語教育史およぴ西アフリカ史に関する文献研究を行った。当初予定していたフランス国立図書館での文献閲覧については、別の旅費で行った調査とあわせて行えたため、渡仏の費用は他の文献資料購入および報告書作成のための物品費にあてた。 聞き取り調査の結果の分析と文献資料調査を通じて明らかになったことは、植民地期においては、フランス語を植民地全体に普及させることは目指されておらず、すべての住民にフランス市民権が与えられていた四つの「コミューン」においてさえ、独立直前までフランス語教育の普及は非常に限定されていたということと、独立後も、フランス語教育は計画通りには普及せず、1970年代以降は停滞が顕著であり、また、就学した人々にとっても多くの場合はフランス語知識は非常に限定された水準にとどまっていたということである。 本研究課題以前からの蓄積および研究期間中に収集した文献資料研究の成果、平成18年度のセネガル現地における聞き取り調査の結果を総合し、多言語社会研究会、日本フランス語フランス文学会における研究発表、日本アフリカ学会等における意見交換を経て、平成19年12月に単著『ポストコロニアル国家と言語-フランス語公用語国セネガルの言語と社会』を刊行するとともに、本研究課題の研究報告書を作成した。
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Research Products
(3 results)