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2006 Fiscal Year Annual Research Report

自然と人間社会との持続的関係性を基軸とした世代間倫理の基礎研究

Research Project

Project/Area Number 17520019
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

吉田 雅章  長崎大学, 環境科学部, 教授 (20128242)

Keywords倫理学 / 自然 / 労働 / 世代間倫理 / 接続的関係性 / 文化 / 自然の制約 / 環境プラグマティズム
Research Abstract

本研究の遂行にあたり,本年度は次のような作業・考察・検討を行った。
(1)環境問題・環境保護の現状がどこに淵源するかを詳細に追究し,明らかにすることを本研究の目標のひとつとしているが,本年度はこの点に関して,18世紀以降の産業革命(動力革命)の展開の結果、20世紀後半に登場した,「自然の制約を超える労働体とその駆動力」(石油や電気で動く機械の類)による,自然的労働力(人力・畜力)の代替にあることをつきとめ,その代替の過程,即ち我々が自然相手の労働を喪失したこと,またその意味を慎重かつ丹念に跡づけることによって、人間が自然とのかかわりを希薄にし,或いはそのかかわりを喪失したことが、今日の環境問題ないし「人間と自然との歪な関係」の淵源するところであることを明らかにした。
(2)第2には,こうした現状に対して,その打破や改革を考え,自然との持続的な関係性を創る方向として,自然相手の労働が生み出していた文化に着目し,その労働及び文化を現代社会の中にいかに埋め込むことが可能なのかを模索する必要があるが,この点に関しては,アメリカでの新たな環境倫理学の動きである「環境プラグマティズム」が参考になるので,ウェストンやノートンらを中心として,環境プラグマティズムの詳細な検討を半ばまで終えた。環境プラグマティズムは確かに,自然の価値を考察するに際し,文化に着眼する点では優れているが,とはいえ環境プラグマティズムの主張が全面的に肯定できるわけではない。環境プラグマティズムが欠如してい点一即ち,労働が文化を生み出しているという点一にも十分注意を払いつつ,労働と文化の概念を中心にした,自然との持続的な関係性を構想し,それによって世代間倫理を確立する作業を半ばまで遂行した。

  • Research Products

    (1 results)

All 2006

All Book (1 results)

  • [Book] 東西文化会通-井上義彦教授退官記念論集2006

    • Author(s)
      編集委員会編
    • Total Pages
      569
    • Publisher
      台湾 学生書局

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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