2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
黒川 勲 大分大学, 教育福祉科学部, 助教授 (20264319)
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Keywords | スピノザ / コナトゥス / ブルーノ / カンパネラ / 自然哲学 / ルネサンス期 |
Research Abstract |
交付申請書の「研究の目的・研究計画」に対応した研究実績の概要は以下の通りである。 I ホッブスの物体論・デカルトの物体的世界とスピノザの物体論との比較,及びコナトゥスの意義の抽出については,ホッブスのスピノザへの影響を完全には明らかにしきれていないが,ホッブスの自然主義的把握は「力」・「権力」に関して全体的な影響をスピノザに与えている,それとともに,スピノザの人間生活・倫理学にまで,いわば物理的運動を活用する独自の自然主義的把握に関連と展開が指摘できる。また,デカルトの物体的世界とスピノザのそれと比較考察した。その結果,デカルトの物体論は精神と峻別され,きわめて明確に実在界に位置づけられるが,スピノザの物体論は統合的なコナトゥス論を基盤として,実在界を統一的に再構成するものであることが明らかになった。 II スアレスにおける実体的形相のスピノザの物体論との連関の検証については,Suarez Opera Omniaの物体論・運動論に関係して「動力因」・「実体性」の該当箇所の翻訳を行い,スアレスの形而上学的枠組みの解明に取り組んだ。 III ブルーノ,カンパネラ等のルネサンス期の自然哲学とスピノザの自然観の比較,及びコナトゥスの位置付けについては,文献・先行研究の資料収集に努め,特に「原因」,「物体的世界構成」について分析に取り組んでいる。
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Research Products
(1 results)