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2007 Fiscal Year Annual Research Report

『判断力批判』の研究およびハイデッガーのカント解釈と『判断力批判』の整合性の研究

Research Project

Project/Area Number 17520031
Research InstitutionHiroshima International University

Principal Investigator

甲田 純生  Hiroshima International University, 工学部, 准教授 (30352024)

Keywords直観の形式 / 空間 / 時間 / 図式論 / 原則論 / カテゴリー
Research Abstract

本年度の研究の主眼はハイデッガーのカント解釈の整合性について研究することであった。ハイデッガーは『カントと形而上学の問題』において自身の時間論の立場からカントの第一批判に独特の解釈を与えている。その中でハイデッガーは「超越論的感性論は…準備的な性格をもっているにすぎず,本来は超越論的図式論のパースペクティヴからはじめて読解されうるものである」と述べている。「超越論的感性論」で扱われているの,直観の形式としての空間と時間である。『カントと形而上学の問題』において時間は要をなすものであるが,空間についてハイデッガーは多くを語っているわけではない。そこで第一批判の「超越論的感性論」および「超越論的分析論」の検討を通して,超越論的感性論に関する先のハイデッガーの発言が正当なものであるかどうかを検証した。
カントは「超越論的感性論」において,「直観の形式」および「超越論的観念性」という二つの規定を空間に対して与えているが,実はこの二つの規定だけでは,我々は夢の空間と現実の空間とを区別しえない。つまり,空間そのものはあくまでも感性の形式であり,悟性とは独立に存在しうるが,空間が物理学的運動を記述しうるような客観的なものであり売るためには,悟性のカテゴリーが空間構成に関与しなければならないのである。第一批判においては,そのような空間が実際に構成される場面は「図式論」および「原則論」の「直観の公理」において描かれている。そこで明らかとなることは,客観的な時間を産出する超越論的時間規定によって,客観的空間の構成が可能となる,ということである。空間は主観によって構成される。しかし客観的空間が成立には時間の産出が関与している。「超越論的感性論が準備的な性格をもつにすぎない」というハイデッガーの指摘は当を得たものと言わざるをえない。

  • Research Products

    (1 results)

All 2007

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 「直観の形式としての空間」と時間2007

    • Author(s)
      甲田 純生
    • Organizer
      関西倫理学会
    • Place of Presentation
      京都女子大学
    • Year and Date
      2007-11-03

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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