2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520036
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
三浦 國雄 大東文化大学, 文学部, 教授 (60027555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山里 純一 琉球大学, 法文学部, 教授 (50166659)
宮崎 順子 大阪市立大学, 文学研究科, 非常勤講師
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Keywords | 術数 / 易占 / 風水 / 暦書 / 霊籤 / 沖縄 / 琴堂文庫 / 家文書 |
Research Abstract |
初年度である平成17年度には、研究会二回、全員揃っての文献調査行を二回持った。研究会は平成17年6月4日、大阪市立大学で開催、それぞれの研究テーマのすり合わせを行った。翌日、彦根博物館の琴堂文庫を調査した。当文庫はかの井伊直弼の曾孫・井伊直愛氏の旧蔵書で、仏典、謡曲、易占を中心とした2万冊に及ぶ特異なコレクションであるが、我々から見れば、ほとんど未開拓の術数文献の宝庫でもある。三浦は全般的な調査を担当、山里は霊籤と呪符、宮崎は風水書、研究協力者の益子は易占書をそれぞれ調査した。特に益子は、従来まったく知られていなかった『八卦抄』を発見、秋の日本道教学会で「中国の易占書と江戸時代の八卦占」と題して発表した。二回目の研究会と調査は、平成17年12月22日から28日まで、沖縄で行った。研究会は22日、浦添図書館で開いて研究成果を発表しあい、第二年度(最終年度)へ向けての研究方向と成果の公刊の仕方について確認した。成果は、基本的で重要な術数文献を数十点選び、文献解題を付して刊行し、研究者に提供する予定である。さて、我々の今回の研究は、沖縄の術数文献も重要な課題として当初から研究計画に組み込んでいるが、三浦、山里以外はこれまでは視野の外にあったので、研究会のあと、山里・三浦が沖縄学についてガイダンスを行い、そのあと現地浦添図書館で調査作業に入った。ここには沖縄学に関する基本的な参考書、工具書などが完備している。翌23日、石垣に飛び、26日まで石垣市立図書館で、26日から28日までは八重山博物館でそれぞれ調査を行った。市立図書館には、八重山を中心に厖大な家文書の複製本が完備しており、特に暦、通書、風水、易占等についてはほとんど研究されていない。従来から研究を手がけている三浦、山里にとっても新しい文書との出会いがあり、その他のメンバーにとっては新鮮な研究対象を得て、次年度以降の術数研究に幅をもたらすはずである。
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Research Products
(3 results)