2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520067
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
伊藤 宏之 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (80007369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 園子 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (10158199)
川田 潤 福島大学, 人間発達文化学類, 助教授 (70323186)
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Keywords | 思想史 / 政治学 / 哲学 / 絶対主義 / 自然権 |
Research Abstract |
1.ホッブズの諸著作のうち、刊行本と手稿との照合作業について現地調査を行い、収集した関連資料とあわせて、諸著作間の差異にも留意して文章及び語句の確定を検討中である。照合は当初の予想をはるかに超える多数の箇所に及んでいる。 2.さらには、現地調査により、著作全体にわたり、「法の原理」の内容の比重が大きいこと、ベーコンの思想的影響が少ないこと、キャベンディッシュ家の当代における政治的変遷との関連が大きいことが、これまでの研究史を踏まえた上での新たな知見として得られている。なお、現在の研究の動向と水準を見ると、当時の政治的思想的状況についてのきめ細かい把握が求められている。 3.研究会では、ホッブズの思想的展開過程における諸画期、特に思想的確立期を見定める上での方法論の形成の測定が重要な論点であることを確認するとともに、これまでの邦訳での、契約、信約、同意、自発的などの用語の妥当性を同時代の他の著作家との比較を含め引き続き検討する必要があることを確認している。 4.二年度目の平成18年度においては、文章及び語句の確定を含む第二次訳稿の作成が作業の中心となる。全体として、科学論関係についての作業が遅れているので、これを補充する必要がある。なお、この訳稿作業で得られた知見については論文として公表の予定である。
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Research Products
(4 results)