2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520067
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
伊藤 宏之 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (80007369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 園子 広島大学, 社会科学研究科, 教授 (10158199)
川田 潤 福島大学, 人間発達文化学類, 助教授 (70323186)
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Keywords | 物体論 / 法の原理 / 市民論 / リヴァイアサン / コモンロー対話 / ビヒモス / 絶対主権 / 自然権 |
Research Abstract |
1.翻訳定本の調査・試訳 (1)モールズワース版『物体論』を試訳した。今後、ラテン語版初版との校合が必要である。 (2)モールズワース版『法の原理』を試訳した。今後、ラテン語版初版との校合が必要である。 (3)モールズワース版『市民論』を試訳し、ラテン語版の初版、第2版およびその他英語版各種と比較校合した結果、主要な用語の使用例の相異から、モールズワース版は、ホッブズ自身の校閲を受けていないこと、従って翻訳の定本としては、ラテン語版が妥当である、との判断を得た。 (4)『リヴァイアサン』の試訳は、最新のロジャース&シューマン版を定本にし、邦訳の水田洋訳(岩波文庫)を参考にした。 (5)『コモンロー対話』の試訳は、最新のクロマティー版を定本にし、邦訳の田中浩訳(岩波文庫)を参照した。 (6)『ビヒモス』の試訳にはテニエス/ホームズ版を用いたが、現存の諸手稿それぞれも異なるところが多く、定本作成自体が必要という状況判断をえた。 (7)『書簡集』の試訳は、マルコム版を定本にした。 2.ホッブズ政治学の体系的構造分析 幾何学の方法を政治学に取り入れたホッブズにおける方法の問題は、マルコムやフィンなどの研究を踏まえ、さらに研究の余地がある。そのうえでホッブズにおける「自己保存権と絶対主権との相克」の体系的および歴史的な構造分析が課題である。すなわち、ホッブズにおいては、方法上の問題と政治理論上の問題との相関が基本問題をなす、というのが、本研究の中間段階での仮説である。
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Research Products
(3 results)