2006 Fiscal Year Annual Research Report
1930年代の東アジア(日本・朝鮮・中国)間の思想的葛藤と相互の関係
Project/Area Number |
17520072
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高坂 史朗 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (20170178)
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Keywords | 東アジア / 儒教 / 日本文化 / 京城大学 / 植民地 / 近代 |
Research Abstract |
平成18年度は韓国を中心に調査研究をおこなった。 5月25日より5月28日まで韓国・春川市、およびソウル市に海外出張した。 5月26日韓国・江原大学校人文学部哲学科主催国際シンポジウム「東アジアと儒教思想」が行われた。 司会李光来(江原大学教授)高坂史朗「儒教とPhilosophyとの葛藤」コメンテータ高在旭(江原大学教授)他の報告者、佐藤貢悦(つくば大学教授)Myat mon Oo (Yanggon National University, Myanmar)5月27日韓国・日本思想史学会(高麗大学)テーマ「日本人と神国思想」において基調講演「日本文化論の視座」を行った。 江原大学での高坂の発表は東アジア3国におけるPhilosophy受容の相違とそれぞれの国の儒教と葛藤を明らかにするものである。また質問に答えて、儒教と哲学の相互の関係と近年の中国における共産主義国家の布場経済による内部分裂の危機を儒教復活に託す動向を考察した。 日本思想史学会の基調講演は本居宣長を中心に1930年代にまでいたる日本主義の考え方の基盤になる思想系譜を論じた。また総合討論においても議論に参加、近年の日韓関係の障壁に関して意見を表明した。研究テーマである1930年代東アジア思想に関して、韓国研究者から有益な助言を得られた。またソウル市の大学路にはもとソウル大学のあった。そしてそれは1925年に日本が京城大学を設立した場所である。また呉光輝・厦門大学助教授により高坂史朗著『近代という躓き』が中国語に翻訳された。
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Research Products
(4 results)