2006 Fiscal Year Annual Research Report
18〜19世紀の東アジア思想空間と相互の自他認識の研究
Project/Area Number |
17520074
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
桂島 宣弘 立命館大学, 文学部, 教授 (10161093)
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Keywords | 思想史 / 日本史 / 韓国史 / 儒学 / 宗教史 / 対外観 / 自己像 / 実学 |
Research Abstract |
本研究は18〜19世紀の朝鮮王朝・清王朝と徳川日本の思想連鎖を、書籍ネットワーク、知の連鎖、対外観、実学、対民衆観などをキーワードとして解明していくことが目的で、三年計画で実施予定である。二年目の2006年度(平成18年度)は、前年度に引き続いての史料・文献収集、韓国・中国の研究状況の把握、当該テーマと関わる韓国・中国の研究者とのネットワーク構築を重点課題として研究を行ったが、特筆すべきことは以下の点である。(1)本年度後期から、韓国釜山市において学外研究を行い、以下のような研究報告を行い、それぞれ東西大学校、釜慶大学校、嶺南大学校、成均館大学校、韓国学中央研究院等の研究者との意見交換に努めたこと。2006年9月28日東西大学校日本研究センターでの報告「一国思想史学の成立」、同10月22日釜山日本地域研究会の報告「一国思想史学の臨界点」、同11月29日嶺南大学校国際学術シンポジウムでの講演「東アジアの近代と翻訳」、同12月8日韓国日本近代学会での高吉嬉氏(山形大学)の報告「『韓流ブーム』と朝鮮半島イメージの二極分化現象化」に対するコメンテーター、2007年3月16日啓明大学校日本学科創設30周年記念国際シンポジウムでの講演「近代日本のアジア主義者の自他認識」、(2)2006年12月に沖縄で開催された日韓宗教研究フォーラムに参加し、ソウル大学・漢陽大学校等の研究者との意見交換に努めたこと、(3)2006年7月に中国広東外語外貿大学を再度訪問し、広東省地域の近世学問に関わる資料の収集に努め、当該テーマに関わる広東省の研究者との意見交換を行ったこと、(4)釜山・ソウル・広州等で当該テーマに関わる研究状況に関して詳細な情報を得て、幾つかに関しては書籍・典籍等の購入・影印版の撮影・複写を行ったこと。これと並行して、2006年度前期は立命館大学において、後期は遠隔システムを用いて日韓両研究者・院生を結んで東アジア思想文化研究会を開催したが、具体的日程と報告者は以下のとおりである(報告者はいずれも立命館大学大学院院生、客員研究員)。2006年5月12日金愛景氏・金男恩氏、6月23日肖〓氏・諸点淑氏、7月7日ジェフリー氏・金泰勲氏・デュンケル氏、7月22日李豪潤氏・金政槿氏、11月16日金泰勲氏、11月30日金男恩氏・金愛景氏、12月14日肖〓氏・ジェフリー氏。この研究会で得られた知見については、『東アジアの思想と文化』創刊号として刊行することができた(2006年9月1日刊行)。以上から、研究二年度における史料収集・文献目録の作成・研究者ネットワークの構築等は大方を果たすことができたと考えている。
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Research Products
(3 results)