2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥平 俊六 大阪大学, 文学研究科, 教授 (30167324)
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Keywords | 日本美術史 / カブキモノ / 見得 / 風俗画 / 初期歌舞伎図 / 姿型 |
Research Abstract |
課題に関わる17年度の研究実績について以下に概略を記す。 まず、予定通り調査用デジタル一眼レフカメラを購入した。交換用電池パックなど必要な付属品を追加したために予定よりもやや高額になった。消耗品は予定通り。 本年度の研究の主体に位置付けていた既撮スライド資料の整理に関しては、補助として予定していた博士後期課程の院生の状況変化(年度当初に1人が助手就任、2人が美術館等就職)によって、予定通りには運ばなかった。修論・卒論および学会発表を控えている学生を雇用するわけにいかず、AV機器の扱いに比較的慣れている学部生を1人アルバイトとして雇用し、教えながら進めた。成果としては、守随憲治編『歌舞伎図説』所載図版と解説資料のデータ化、徳川美術館所蔵「歌舞伎図巻」の既撮スライドのデータ化および詞書のテキスト・データ化が主なものである。ただ、これらはいずれもかなりの分量があり、それぞれ、(1)図録所載図版のデジタル・データ化、(2)既撮スライドのデジタル・データ化、および(3)解説や付属資料のテキスト・データ化、(4)詞書など画中文字のテキスト・データ化、という資料整理の四つの柱に当たるものであり、フィルム・スキャナとOCRの活用も含めてそのシステムと手順を構築することができた。 既存資料の整理の分を実地調査と情報収集に振り替え、現時点で可能な調査等を前倒しで実行した。近畿圏の調査2件、中京圏の調査2件、九州圏の調査1件、関東圏の調査1件、米国の調査1件である。関東圏と米国の調査の際には、それぞれ複数の研究者から貴重な情報を得た。とりわけサンフランシスコで開催された日本美術シンポジウムには欧米の主要な日本絵画史研究者がほとんど参集していたため、次年度以降調査を予定している大英博物館、ボストン美術館、メトロポリタン美術館のキュレイター、および米国の個人コレクターから直接作品調査の約束を取り付けることができた。
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