2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520083
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
下原 美保 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (20284862)
|
Keywords | W.Anderson / 博物学的コレクション / 大英博物館 / 住吉派 / 板谷派 / 土佐派 / 近世やまと絵 / Japan Society |
Research Abstract |
本研究は、1873年に来日したイギリス海軍医W.Andersonの日本美術コレクション(大英博物館所蔵)、特に、近世やまと絵のコレクションに着目したものである。研究目的ごとの進捗状況と新知見は以下の通りである。 【W.Andersonコレクションの調査】大英博物館が所蔵するW.Andersonのやまと絵コレクションについては、すでに2001.1から2002.1にかけて下調査を行った。本年度は11.21-12.1にかけて、前回未着手分の作品を調査。その結果、本コレクションは博物学的に収集されているため、国内ではまとまったコレクションの少ない近世の土佐派、住吉派、板谷派はもとより傍流の絵師の作品に至まで系統立てて残っていることを確認した。また、完成作ばかりでなくマクリの状態のものや模本が多く含まれていることも新たに見いだした。 【データベース作成】2001-2002までの下調査分(W.Andersonコレクションの近世やまと絵)をデータベース化した。 【W.Andersonの作品収集ルート特定と美術雑誌編集者としての活動内容の調査】Cambridge University Libraryの司書、小山氏にインタビュー。作品収集ルートについては不明であるが、徳川家関係の資料を取り扱っていたフィリップ・シーボルトからの購入の可能性についてご助言いただく。美術雑誌編集者としてはJapan Societyの紀要Transaction Asiatic Society of Japanの編集者であったことを確認。Japan Societyではchair manも務めていた。また、W.Andersonの著書Description and Historical Catarogue of a Collection of Japanese and Chinese Paintingsには「科学者」から見た「やまと絵の評価」が記載。内容については次年度検討予定。美術鑑定士としても活動していたことを確認。
|
Research Products
(3 results)