2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本近代版画の海外紹介とその国際的評価に関する研究-昭和初期から占領期まで-
Project/Area Number |
17520089
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
桑原 規子 聖徳大学, 人文学部, 講師 (90364976)
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Keywords | 美術史 / 日本美術 / 近代版画 / 国際情報交換 / アメリカ:イギリス:フランス |
Research Abstract |
昭和戦前期から占領期にかけての日本近代版画の海外紹介とその国際的評価を明らかにするという目的のもと、「I昭和戦前期の海外日本版画展覧会に関する研究」と「II占領期におけるアメリカ人コレクターの研究」の二つのテーマに沿って調査研究を行った。以下、今年度、得られた成果についてテーマ別に記述する。 1.「昭和戦前期の海外日本版画展覧会に関する研究」については、当初、1930年代にアメリカを巡回した日本版画展覧会について調査する予定であったが、ケネディ画郎、サンフランシスコ美術館と連絡を取った結果、当時の資料が残っていないことが判明。一方、パリの国立図書館、装飾美術館にパリ展の資料が保存されていることが分かり、パリでの調査に切り替えた。その結果、パリ展の開催経緯、展覧会の反応や日本とフランスとの文化交流を跡付ける資料、展覧会後日本人作家が寄贈あるいは売却した作品の発掘ができた。来年度、この調査結果を踏まえた論文を執筆の予定である。 2.「占領期におけるアメリカ人コレクターの研究」については、アメリカ人コレクターが執筆した書籍及び記事の収集、日本の版画家たちが書き残した資料収集、昨年2月に行ったハワイ大学スタットラー文書、ホノルル美術館ミッチェナー・コレクション調査の結果を踏まえ、アメリカ人コレクターたちが日本の近代版画の海外紹介に果たした役割について明らかにし、論文を執筆した。また、今年3月には大英博物館アーネスト・ハッカー・アーカイブの調査を行い、日本人版画家と占領期日本に進駐した欧米人との交流を示す新たなる資料収集を行った。来年度はこれらの海外資料をまとめ、占領期におけるアメリカ人コレクターについて研究成果を口頭発表、報告書をまとめる予定である。
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Research Products
(2 results)