2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本近代版画の海外紹介とその国際的評価に関する研究-昭和初期から占領期まで-
Project/Area Number |
17520089
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
桑原 規子 Seitoku University, 人文学部, 講師 (90364976)
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Keywords | 美術史 / 日本美術 / 近代版画 / 国際情報交換 / アメリカ:イギリス:フランス:ベトナム |
Research Abstract |
昭和戦前期から占領期にかけての日本近代版画の海外紹介とその国際的評価を明らかにするという目的のもと、以下の二つのテーマに沿って調査研究を行った。今年度は、研究最終年度に当たるため、これまでの調査で得られた成果を口頭および論文で発表した。 1.「昭和戦前期の海外日本版画展覧会に関する研究」については、サンフランシスコ美術館の資料調査で、1936年に開催された日本版画展覧会の出品目録を新たに発見、アメリカを巡回した展覧会出品作品の同定ができた。1934年パリ展の展覧会評については、研究協力者の猿渡紀代子氏にその翻訳とデータベース化を依頼、進めて頂いた結果、想像以上に反響が大きかったことが判明した。いずれの資料も関連論文とともに、研究成果報告書に<資料篇>としてまとめて掲載の予定である。なお、1941年の仏印巡回日本画展覧会については論文として発表、戦前期における海外日本版画展については「芸術文化における<伝統的なもの>」研究会で口頭発表を行った。 2.「占領期におけるアメリカ人コレクターの研究」については、恩地孝四郎御遺族所蔵の写真や書簡の調査、サンフランシスコ美術館所蔵ハートネット・コレクションの調査、斎藤清資料(御遺族および福島県立美術館所蔵)の調査などを行った。これらの調査結果を踏まえた上で、アメリカの日本美術研究雑誌Impressionsに論文を投稿、アメリカの研究者と意見交換の機会を得た。また、2007年12月には研究協力者の味岡千晶氏をシドニーから招聘し、筑波大学および聖徳大学で研究発表を行った。なお、単独で恩地孝四郎研究会でもロ頭発表を行い反響を得ることにより、アメリカ人コレクターの存在の重要性を再確認することができた。
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Research Products
(3 results)