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2006 Fiscal Year Annual Research Report

「初期読本」はジャンルたりうるか-近世中期小説史再構築のために-

Research Project

Project/Area Number 17520110
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

木越 治  金沢大学, 文学部, 教授 (10109093)

Keywords初期読本 / 上田秋成 / 都賀庭鐘 / 明治期の近世文学史 / 藤岡作太郎
Research Abstract

本研究の最終的な目的は、宝暦末年から寛政初年において上方の小説・散文界におこった変化の意味を再検討することにあるが、本年の具体的な調査・研究は以下の3点である。
(1)明和前期に上方で刊行された散文系作品群の書目に関する検討
(2)この時期の上方における代表的な文学者である上田秋成の作品を女学史的観点から再検討する。
(3)明治初期からの近世文学史記述の検討
それぞれの成果を以下に記す。
(1)明和期に刊行・成立した書目のなかから問題となる作品を抽出し、検討する作業を行った。なかでも、従来、談義本と称きれてきた作品群に興味深いものが多く、『世間万病回春』『医者談義』等の医学系とみられる著作について、書誌調査等をおこなった。
(2)上田秋成という作家は、『雨月物語』『春雨物語』等の作者としてすでに高い評価を得ている。しかし、そのことがかえって、彼の文学史的位置づけをわかりにくくしている面があると思われる。本研究も、実をいうと、秋成・庭鐘・綾足といった特定の作家にかたよったかたちで記述されてきたこの期の文学史記述のあり方をあらためて考え直そうとする意図から計画されたものである。たまたま、平成19年3月に、大阪大学で上田秋成に関するシンポジウムが開催され、そこでゲストスピーカーとして話す機会があったので、そしれにあわせて、18年度後期の大学院担当授業をこれにあて、参加者のレポートを冊子にまとあて当日のシンポジウムで配付した。テーマは、『春雨物語』で、作品の文学的な位置づけを考えるための基礎となるべきいくつかの項目について、それぞれが考えたものである。筆者個人のものではないので、研究成果棚には掲げないが、本研究と密接に関係しているものなので、ここに記しておく次第である。
(3)明治期の江戸文学史の検討については、藤岡作太郎の『近代小説史』に焦点にあわせた。また、彼の残した自筆日記(未翻刻)の解読をすすめており、『近代小説史』執筆時期の詳細な記録として興味深いものである。来年度には、1年分ないし2年度分を公にする予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2006

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 消えた「斎宮」-『伊勢物語』六九段と『古今集』及び業平家集2006

    • Author(s)
      木越 治
    • Journal Title

      北陸古典研究 21号

      Pages: 21

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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