2005 Fiscal Year Annual Research Report
院政期から鎌倉初期の歌学書及び歌道家における『万葉集』享受の研究
Project/Area Number |
17520134
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
寺島 修一 武庫川女子大学短期大学部, 日本語文化学科, 助教授 (60290409)
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Keywords | 歌学書 / 万葉集 / データベース |
Research Abstract |
歌学書本文の電子テキスト化に着手した。電子テキスト化を終えたのは、『俊頼髄脳』(日本歌学大系本、京大本「無名抄」、関大本「俊秘抄」、松平文庫本「唯独自見抄」)『奥義抄』(日本歌学大系本、大東急文庫本)『袖中抄』(日本歌学大系本、歌論歌学集成本)である。これらは底本とそれに対する校異という形を取らず、同一の歌学書であっても伝本ごとに独立した本文テキストとしてある。このような形にしたのはデータベースとして完成したときに伝本ごとの本文が独立して参照できるようにするためである。これらのデータは業者により活字翻刻の電子データ化を行い、それに基づいて伝本ごとに手を加えて独立させたものである。データの形式は基本的に国文学研究資料館の「原本テキストデータベース」の初期入力に準じて整形してあるが、一部未整形のものがある。電子化テキストのデータの形式については「原本テキストデータベース」の形のほかにも種々の形式が公開されているが、異本注記などの傍書も含めてデータベース化するためにこの形を採用している。ただし、「原本テキストデータベース」の散文検索システムないし和歌検索システムに載せる形でデータベース化するかどうかは未定である。 また、新編国歌大観所収の『万葉集』から西本願寺本訓を抽出し、電子化テキストとして整形した。『万葉集』の電子化テキストとしては、ほかにも吉村誠氏の作成したテキストなどが公開されているが、現行訓に基づくものが多い。歌学書本文から『万葉集』歌を抽出するための参照本文としては、公開されているものの中では西本願寺本訓が最も適当であると判断した。 以上のとおり、歌学書所引『万葉集』のデータベース化の基礎作業が進行している。
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