2006 Fiscal Year Annual Research Report
18世紀イギリスにおけるポルノグラフィー誕生に関する歴史的研究
Project/Area Number |
17520141
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
吉田 直希 小樽商科大学, 言語センター, 助教授 (90261396)
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Keywords | 18世紀 / イギリス / ポストコロニアル / ジェンダー / エロティカ |
Research Abstract |
前年度の成果をまとめ、日本ジョンソン協会年報に「『ファニー・ヒル』における階級・人種・ジェンダーの倒錯」(2006・5)を発表した。ここでは、ウィリアム・ホガースの『娼婦一代記』と『ファニー・ヒル』の比較から、信頼できない語り手=ファニーのオリジナリティを明らかにした。そして、ファニーの幸福な結婚で終わる性の遍歴の裏に確認できる近代的主体の転倒した「階級・人種・ジェンダー」意識を新歴史主義的に検討する必要性を主張した。 9月には共同研究者John Bender教授との研究会を昨年に引き続き実施した。そこで、今年度もアメリカ18世紀学会でパネルを開きその成果を発表することとした。さらに今回はTerry Castle教授とも18世紀研究におけるポストコロニアル批評の必要性について話し合いをもった。併せてスタンフォード大学における18世紀英文学教育の取り組みを体験した。 作品研究としては、The Analysis of Beauty(1753),An Essay on Woman(1763),The Temple of Prostitution : A Poem(1779)を中心に娼婦の表象に焦点を当てて精読をおこなった。9月の共同研究と併せてその成果の一端を"Global Eighteenth Century"というパネルにおいてAmerican Society for Eighteenth Century Studies年次大会(於:アトランタ)で発表した。
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Research Products
(1 results)