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2006 Fiscal Year Annual Research Report

ヴィクトリア朝生体解剖論争の文化研究

Research Project

Project/Area Number 17520150
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

丹治 愛  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90133686)

KeywordsH.G.ウェルズ / 『モロー博士の島』 / オスカー・ワイルド / 『ドリアン・グレイの肖像』 / 生体解剖論争 / 科学の唯物論化 / 動物愛護文化
Research Abstract

本研究の目的は、1870年代なかばから急に活発化しはじめた生体解剖論争をとおして見えてくるヴィクトリア朝文化の諸相のうち、動物愛護文化の確立と、それにともなう唯物論的な科学への批判、さらに、そのような批判を前にした科学の反応を、『モロー博士の島』を中心とするいくつかの文学作品と、この時代の歴史資料とを往還しながら記述するところにある。
研究の2年目にあたる本年は、1年目に収集した生体解剖関連の歴史資料、とくにBritish Medical Journalなどに掲載された医者の立場からの論文を読みながら、動物愛護陣営と科学研究陣営のあいだで展開されていた生体解剖論争の実体を二元的・対話的に理解することをめざした。
また、生体解剖をめぐるその論争のなかから、いくつかのモチーフを抽出した。そのひとつとして、宗教性を離れて没道徳的に真実を追求しはじめた唯物論的な科学にたいするヴィクトリア朝人の不安と不信というモチーフを抽出したうえで、そのようなモチーフを文学的表現に高めた例のひとつとして、オスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』をとりあげ、「ワイルドの唯美主義と生体解剖」というタイトルの論文のかたちでまとめた。それは未刊行ではあるが、2006年11月25日、日本オスカー・ワイルド協会全国大会において、口頭発表した(2007年度のワイルド協会の機関誌に掲載されることが決定している)。
さらに、生体解剖論争がエドワード朝にまで継続していたことを示す事件として、20世紀初頭に生じたブラウン・ドッグ暴動についても調査した。

  • Research Products

    (1 results)

All 2006

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 都市を歩くこと 『ダロウェイ夫人』における文化と意志2006

    • Author(s)
      丹治 愛
    • Journal Title

      ヴァージニア・ウルフ「ダロウェイ夫人」 1

      Pages: 29-47

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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