2007 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ文学における日本受容と日本文学におけるドイツ受容
Project/Area Number |
17520178
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
依岡 隆児 The University of Tokushima, 総合科学部, 教授 (90230846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ヘルベルト ウォルフガング 徳島大学, 総合科学部, 講師 (60437663)
井戸 慶治 徳島大学, 総合科学部, 准教授 (40193536)
増田 周子 関西大学, 文学部, 准教授 (30294664)
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Keywords | ドイツ文学 / 日本文学 / 比較文学 / 比較文化 / 文化の影響関係 / 文化変容 / 文化交流 / 異文化理解 |
Research Abstract |
長く深い日独関係の中で、ドイツ語圏文学における「日本」、ならびに日本文学に表れた「ドイツ」がいかに捉えられてきたかを調査、分類し、その傾向やイメージ形成のあり方を分析・考察することが本研究の目的だったが、本年度におけるその活動状況と成果は、以下の3点である。 1.研究全体の基礎として、引き続き文献の収集とデータベースのためのデータ打ち込みをした。 2.第二世界大戦後までも視野に入れて、研究をすすめ、研究総括をした。月一度の研究打ち合わせ会を開催し、個々のメンバーの活動状況の報告と研究発表、情報交換を行った。依岡は日本独文学会第61回春季研究発表会(東京大学)で、シンポジウム「日本文化におけるドイツ文化受容-明治末から大正期を中心に」における研究発表をした(日本独文学会叢書に掲載予定)。依岡と増田は国際シンポジウム・人間文化研究機構連携プロジェクト「文化の往還-東アジアにおける近代諸概念の生成と展開」(北京大学)で、それぞれ「近代日本における「情調」概念の形成と変容」と「近代日本文学における民謡概念の形成と変容」を発表した。さらに『関西モデニズム再考』(思文閣出版)で増田は「大阪におけるカフェ文化と文藝運動」でドイツとの関わりを、依岡は「築地小劇場と関西新劇運動」で、ドイツ表現主義演劇を積極に受容した築地小劇場が関西の新劇界にも大きな影響をもたらしたことを論じた論文を発表した。また、井戸は板東俘虜収容所の新聞『ディ・バラッケ』第4巻の翻訳刊行をした。さらに、第一世界大戦から第二次世界大戦までで、武士道のドイツでの受容を板東俘虜収容所を中心にまとめた。ヘルベルトはドイツ語圏における禅・仏教受容を探り、それがドイツにいかなる日本像をもたらしたのまをまとめた。 3.増田が国立国会図書館、近代文学館、神奈川近代文学館などに出張し、日本近代文学におけるドイツの影響関連の資料の収集を行った。
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Research Products
(10 results)