2007 Fiscal Year Annual Research Report
英国小説におけるカントリー・ハウスの表象と意義-ジャンルの結節点としての「邸宅」
Project/Area Number |
17520192
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
新野 緑 Kobe City University of Foreign Studies, 外国語学部, 教授 (00189234)
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Keywords | 英米文学 |
Research Abstract |
研究の最終年度である本年度は、当初の予定通り、主に20世紀を中心に、カントリー・ハウスを描く小説とその研究書の文献リストを作成し、同時に過去二年間に取りこぼした作品や研究書も拾い上げながら、購入、解読、整理を行った。カントリー・ハウスが本来持つはずの生活様式や価値観、さらに言えば、屋敷の存在そのものが、大きな変化を迫られ、さらには崩壊、消滅へと回かう20世紀において、その消え行こうとする文化を描を様々な小説が、18、19世紀の作品とは異なる込かなる意義をカントリー・ハウスに見出し、それをどのように表現していったのかを、主にE.M.ForsterやIshigur Kazugなどの作品を中心に考えた。そして同時にそうした20世紀的な視点に照らしてみた場合に、昨年度、一昨年度に考察した18世紀19世紀の小説におけるカントリー・ハウスの描写にどのような特殊な意味があるかも、再考した。そのために、専門とする19世紀小説の学会に積極的に参加、研究の成果を発表するとともに、18世紀小説の専門家や19世紀小説の専門家を招いて知識の提供を受け、その研究者とのディスカッションを通じて、自らのパースペクティヴを修正、あるいは深化させるよう従務めた。当初の計画にも示した通り、この研究真に充実した形で結実,完成させるためには、さらに数年の調査と研究が必要だが、この三年間において、18世紀から20世紀に至るイギリス小説におげる「邸宅」の表象とその意義の変遷に関して、自分なりの展望を得ることができたと考えている。
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Research Products
(7 results)