2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウィルキー・コリンズの小説とヴィクトリア朝の出版産業
Project/Area Number |
17520209
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
LAW Graham Waseda University, 国際教養学術院, 教授 (60205276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LAW Graham 早稲田大学, 国際教養学術院, 教授 (60205276)
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Keywords | history / British / Victorian / fiction / publishing / industry |
Research Abstract |
本年度を通じて、「ウィルキー・コリンズの小説とヴィクトリア朝の出版産業」に関する最も顕著な研究業績は次の通りである。 ●合衆国と英国で調査を行い、それまでは存在の知られていなかった、コリンズによる一次資料を多数発見した。それらの資料はコリンズの、ヴィクトリア時代の出版業との関係に新たな光を投げかけるものである。見つかった資料の中心は、約60通の通信文及び1850年代前半に週刊新聞"The Leader"に発表された15の無記名の記事である。また、最近ニューヨークで調査した際には、チャールズ・ディケンズによる重要な、しかし世に知られていない書状も発見した。これは合衆国における外国人作家に対する著作権保護の欠如に関する内容であった。 ●コリンズにとどまらず、他のヴィクトリア時代の複数の作家についての比較研究を行った。彼等が出版産業にどのように関わっていたかを調べることは、コリンズの場合を明らかにすることに通じる。 ●ヴィクトリア時代の出版業での技術革新に対するコリンズの貢献と反発を包括的に概観する草稿(8万語).を完成し、提出した。これは、ハートフォードシャー大学のアンドルー・モーンダー教授との共著で、"Wilkie Corlins: A Litenary Life"の書名で2008年後半にパルグレイヴ・マクミラン社から刊行予定である。 この最後に挙げた業績が、今回の「ウィルキー・コリンズの小説とヴィクトリア朝の出版産業」4年計画の研究の最も重要な成果を表すものとなろう。
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Research Products
(7 results)