2008 Fiscal Year Annual Research Report
ウィルキー・コリンズの小説とヴィクトリア朝の出版産業
Project/Area Number |
17520209
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
GRAHAM Law Waseda University, 国際教養学術院, 教授 (60205276)
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Keywords | history / British / Victorian / fiction / publishing / industry |
Research Abstract |
本年度を通じて、「ウィルキー・コリンズの小説とウィクトリア朝の出版産業」に関する最も顕著な研究業績は次の通りである。 *2008年夏と2009年秋に、英国の数多くの図書館で最終段階の資料調査を行い、それまでは存在の知られていなかった、コリンズによる一次資料を多数発見した。それらの資料はコリンズと、ヴィクトリア時代の出版業との関係を、新しい視点で見直すことを可能にするものである。これらの発見の一部は、2009年にWilkie Collins Societyから出版の予定である。 *合衆国のライス大学Robert Patten教授と共同で“The Serial Revolution"に一つの長い章を構成する論文を発表。これは、包括的かつ経験的な研究に基づくもので、Cambridge History of the Book in Britainの最新号に掲載されている。 *コリンズ以外のヴィクトリア時代の複数の大衆小説作家とコリンズとの比較研究を完結。他の作家の出版産業への関わりを知ることにより、コリンズの作品の特性が明らかになる。下記に詳細を記したように、G. M. W. Reynoldsの作品に関する論文を最近発表した。 *昨年度すでに提出済みの、ヴィクトリア時代の出版業での技術革新に対するコリンズの貢献と反発を包括的に概観する草稿のインデックスを作成し、校正を行った。これは、ハートフォードシャー大学のアンドルー・モーンダー教授との共著で、Wilkie Coilins: A Literary Lifeの書名で2008年後半にパルグレイヴ・マクミラン社から出版された。 この最後に挙げた業績は、出版社の読者から高い評価を得、学術雑誌にも複数の好意的な書評が掲載された。これが、今回の4年計画の研究の最も重要な成果を表すものと言える。
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Research Products
(5 results)