2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520232
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
遊佐 徹 Okayama University, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (60240157)
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Keywords | 中国近代文化史 / 身体 / 政治 / 視覚 / 見る / 見られる |
Research Abstract |
平成19年度は、前年度までに収集済みの資料、および今年度において新たに収集した資料を比較検討し、本格的に研究論文の執筆にとりかかった。その作業は、「蝋人形・銅像・肖像面-中国近代における身体と政治の関係についての覚書(2)-」(下欄参照)、および「同(3)」(『岡山大学文学部紀要』第49号に投稿済み)の2編の論文と、「『申報』が伝えた李鴻章世界周遊記」(『中国文史論叢』第4号)の研究資料1編の成果として一定のまとまりと方向性をもった成果となって現われた。 これらの研究は研究計画に書き記した「視覚」を通して、近代の中国人がこうむることになり、また、ついにはみずからのものにとすることに成功した「身体」的変容に関しての研究である。その際、西洋の「文明化の使命意識」、帝国主義的価値観,文化観、対外認識基準において形づくられた「見る/見られる」の関係、写真やメディアなどの新式の視覚的経験の存在、および、それらが博物館や博覧会において機能した時にあらわれるた「陳列」、「展示」の意識の有無に注目しながら研究は進められた。本研究は、究極的には、現代中国において視覚的に形戒された身体と政治の関係を解明することを目指すしている(よって、研究の完成までには、今しばらくの時間が必要である)。 さらに「視覚」以外の研究計画課題、すなわち、「聴覚」、「スピード」を中心とした身体感覚、「身体的訓練」の各項目についても順次論文を執筆し、それらを研究報告書としてまとめるべく、現在鋭意努力中である。
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Research Products
(1 results)