2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520236
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
丸山 浩明 県立広島大学, 人間文化学部, 助教授 (00239162)
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Keywords | 中国出版文化 / 石印本 / 小説 |
Research Abstract |
まず、前年度購入した「中国近代古籍出版発行史料叢刊」を用いて、石印本小説の価格を概観した。しかし、所謂官立の出版所の内容が中心のうえ、発行部数などの情報はやはり得られないままであった。それでも、今年度はその続編が刊行されたため、資料性を確保する観点から予定外であったが購入した。 今年度の実地調査としては、昨年の上海に引き続き、首都北京の国家図書館(以前の北京図書館)を訪ねた。事前に準備した内容を上回る所蔵が確認され、目録検索から取り組んだ部分が多く、書籍の閲覧は限られた。加えて、一度に2種類の書籍しか貸し出し閲覧が出来ないという規則のため、かなり手間取った。現地調査はやはり予想を超える条件や場合が多く、残念ながら成果は満足のいくものとは言い難い。次回機会があれば、さらに充実した計画で実施したい。また、目録確認のうえで、首都図書館にも多数の石印本が収蔵されていることがわかったものの、時間的問題もあり、同様に今後の課題として残った。 さらに、上海に次ぐ第二の出版地であった香港地区については、基本的な目録調査からは見るべき内容がなく、予定していた実地調査は中国国内の北京あるいは遼寧省図書館・大連図書館等を中心とした東北地区での実施が有効であろうことが判明した。 最終的に、清末光緒期に石印のみの形態で出版された小説を取り上げ、所蔵地点を含めた基本情報の紹介をまとめの一つとした。その他、資料の充実に従って、順次発表したい。
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