2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミャオ・ヤオ諸語の歴史文法研究-特異現象の発生と伝播を中心として
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17520250
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田口 善久 Chiba University, 文学部, 准教授 (10291303)
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Keywords | ミャオ・ヤオ諸語 / 地域伝播 / 歴史言語学 / 東アジアの言語 |
Research Abstract |
平成19年度は,申請者が平成18年度においておこなった名詞類別のストラテジーに関する研究,重複形式の研究の成果にもとづき,さらにその範囲を拡大させるとともに,これまでの調査,先行研究,海外研究協力者からの情報によって得られたデータにもとづいて,いくつかの文法項目について,ミャオ、ヤオ諸語及び周辺諸言語の文法特徴を比較対照する作業を行った。 (a)重複という形態法については,ミャオ語,ミエン語両方の語群で一般的に見られるが,ミャオ語が語彙的な派生法としてこれを持っていることが多いのに対して,ミエン語はいくつかの条件はあるものの,動詞、形容詞の屈折的な形態法であることがわかった。その中でも,ミエン語ビャウミン方言のaugmentativeを表す重複は極めて特異的なものであり,他のミエン語の方言が状態動詞についてしかこれを示さないのに対して,動詞,名詞などのカテゴリーにも拡大している。今年度はこれについて共時的な分析を行うとともに,これがどのような歴史的発展を経たものであるかについても2つの変種を比較考察した。それによると,物質名詞の重複から始まって,他の名詞に発展した可能性がつよいことが推測された。 (b)次に,動詞の否定および疑問形式などの項目について,ミャオ、ヤオ諸語の諸方言を比較した。疑問形式においてA、notAという地域特徴が確認できるが,声調交替や動詞の前に疑問辞を置く形式があるなど多様性が強いことが確認された。特に,文末疑問詞についてはミエン語に顕著に現れるが漢語との接触がその原因であると考えられた。以上の研究の成果は,国内の雑誌,学会,研究会で発表した。
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Research Products
(3 results)