2006 Fiscal Year Annual Research Report
イベント意味論に基づいたテンス・アスペクト体系の日仏語対照研究
Project/Area Number |
17520261
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三藤 博 大阪大学, 言語文化研究科, 助教授 (60181939)
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Keywords | テンス / アスペクト / フランス語学 / 形式意味論 / イベント意味論 |
Research Abstract |
平成18年度は,本件科研研究申請当初の研究計画においては,現代フランス語におけるテンス・アスペクト体系の実態を明らかにし得るデータベースを作成することと,イベント意味論の枠組みに基づくフランス語及び日本語のテンス・アスペクト体系の理論的研究とを並行して進めることとしていたところ,調書の「研究計画・方法」欄にも当初から明記していたとおり,本研究代表者が研究分担者として参加している他の科研共同研究(基盤研究(A)(1)「日常的推論の論理と言語形式:量化表現,条件文,モーダル表現を中心として」(研究代表者:郡司隆男神戸松蔭女子学院大学文学部教授))においてイベント意味論に立脚した様々な理論的研究が急速に進行する中,テンス・アスペクト体系に関する研究も進められたため,平成18年度は昨年度に引き続き主として後者の理論的研究に重点を置いた. 理論面での研究は,上記の科研共同研究の研究分担者の方々と研究成果交換,討論,共同研究の多くの機会を持ち,本研究代表者の研究にさらに広い視野と展望を加えることができた.特に,上記科研共同研究の研究分担者である田窪行則京都大学文学研究科教授とは週に一度の頻度で会同して共同研究を遂行し,その成果の一端は田窪教授より平成19年2月に京都大学で開催された国際シンポジウムにおいて発表された.また,本件研究の研究課題はイベント意味論に基づいたテンス・アスペクト体系の日仏語対照研究であるが,イベント意味論に基づいたテンス・アスペクト体系の意味論と名詞句に意味論との間には密接な関係があることが学界において従来から強く主張されているところ,本件科研研究との理論的関連性も強く意識しつつイベント意味論に基づく日本語の名詞句の意味論について考察を行ない、論文「イベント意味論に基づく日本語の名詞句の意味の取り扱いについて」として発表した.
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Research Products
(1 results)