2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520272
|
Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
船山 仲他 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (10199416)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 健 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (20259641)
宮畑 一範 大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (20229876)
西村 友美 京都橘大学, 文学部, 教授 (90237735)
|
Keywords | 同時通訳 / 発話理解 / 言語学 |
Research Abstract |
理論的な考察の面では、船山(2006),Funayama(2007)において、発話理解のオンライン表示装置としての概念的複合体(conceptual complex)と呼ばれる記述モデルの基本的性質を同定した。概念的複合体は、関連性理論において自由拡充と呼ばれる概念的個別化を表すことができ、定名詞句による指示、間接照応などの言語現象を説明する枠組みともなる。概念的複合体は、また、これまでに観察されている同時通訳の特徴的現象に統一的説明を与えることもでき、同時通訳モデルのベースとしても機能することを示した。すなわち、この概念的複合体モデルは、同時通訳のプロセスを構成する要素、および要素のグループ化を表示する枠組みとしても活用することができる。概念的複合体が表層の言語表現レベルとは別のレベルとして想定されていることから、同時通訳における訳出の個人間および状況依存の多様性を表すこともできる。 文字化の作業としては、NHKBS1で二カ国語放送された英日同時通訳の素材を録画し、そのうちの3本について文字化作業を行った。これらは、言語理解における概念化に注目する本研究の資料として適格なぶっつけの生の同時通訳と判断された。PC上で0.01秒単位の目盛りを付けた波形表示ができるファイル形式で表すだけではなく、紙の上でも0.01秒単位に仕切られた原発話・訳出並行記述も作成した。この記述により、実際の同時通訳における原発話と訳出の時間的相関関係をより精密に分析することができる。
|
Research Products
(6 results)