2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本人英語学習者の脳内メカニズムに関する理論的・実証的研究・敏感期以降の言語計算システムの解明
Project/Area Number |
17520274
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
遊佐 典昭 Miyagi Gakuin Women's University, 学芸学部, 教授 (40182670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 裕子 首都大学東京, 都市教養学部, 助教授 (20172835)
小泉 政利 東北大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (10275597)
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Keywords | 敏感期 / 計算システム / 生成文法 / fMRI / SLAにおける論理的問題 / 学習効果 / 空目的語 / BE動詞 |
Research Abstract |
本研究は、敏感期以降に英語を習得した日本人英語学習の、文生成と文処理の脳内メカニズムを、生成文法理論と脳機能イメージング研究が連携しながら、解明することを目的とする。 H17度は、「第二言語獲得における論理的問題(logical problem of second language acquisition)」を、日本人英語学習者を被験者として実験を行った。一ヶ月間の教授(トレーニング)を受けた大人の日本人英語学習者群、教授をうけていない英語学習者群を被験者として、機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)を用いて脳機能の変化を調べ、その研究成果を、第78回日本英文学会シンポジウム、Human Brain Mapping(HBM)(2006月、イタリア)で発表した。H18年度は、H17年度の研究をさらに進展させ、教育効果の長期的効果の可能性を探るために、H17年度の実験に参加した教授群を対象として、教授から半年後の脳機能の変化を測定しすることで、教授の長期的保持効果の可能性を探った。この研究成果は、HBM2007(米国)で発表し、現在論文化をすすめている。最終年度にあたるH19年度は、本研究の成果を、The 2007 Asian Reading Conferenceにおける招聘講演(Universal Grammar and Second Language Acquisition:Evidence from fMRI)で、脳科学者、言語学者以外の研究者を対象に発表することで、社会還元につとめた。さらに、この研究期間に行った、空目的語(null object)現象を用いての、第二言語獲得における文法中枢の活動のトレーニングに関連した上昇と、習熟度に依存した減少に関するfMRI実験の結果を、論文として現在査読をうけている。 言語理論に関しては、日本人英語学習者が英語を用いるときにおかす誤りのひとつであるBE動詞の過剰生成に関して、論文をまとめた。3年間の研究成果は、現在編纂中の研究書にまとめる予定である。
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Research Products
(4 results)